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実話を元に忠実に再現
映画「フライボーイズ」天翔ける青春群像 
2007/11/16 産経新聞    東京朝刊 by 岡田敏一
第一次世界大戦時、志願兵として連合軍に参加した米国の若き戦闘機パイロットたちの活躍を描く戦争大作「フライボーイズ」(トニー・ビル監督、17日公開)は、複葉機(主翼が2枚以上ある航空機)が大空を翔(かけ)るノスタルジックな戦争映画だ。リアルな空中戦だけでなく、青春群像劇の要素も盛り込み、多彩な人間ドラマを構築している。

戦争映画や青春群像劇などの要素がバランス良く盛り込まれた「フライボーイズ」
戦争映画や青春群像劇などの要素がバランス良く盛り込まれた「フライボーイズ」

第一次世界大戦真っただ中の1916年。米テキサス州の農場で働く若者ローリングス(ジェームズ・フランコ)は、実家の農場が差し押さえられたため、州外への退去を余儀なくされる。彼は映画館で見たニュース映画で、戦闘機のパイロットたちが欧州で勇敢に戦う姿を見て、新天地、フランスへ。

当時、米国はこの戦争で中立の立場を取っていたため、彼は志願兵として仏のラファイエット戦闘機隊に入隊。同じく米からやって来た仲間たちとともに、司令官のセノール大佐(ジャン・レノ)の下、パイロットとしての厳しい訓練が始まる…。

実話を元にした作品だけに、当時のファッションや風俗、世相も忠実に再現し、作品に厚みとリアリティーを付加することに成功している。

主人公のローリングスを演じるのは、スパイダーマンの親友にして敵役の青年を演じた実力派フランコ。「ダ・ヴィンチ・コード」で国際的俳優の地位を獲得したレノふんするセノールとの熱い師弟関係や、他の志願兵たちとの友情、仏人女性ルシエンヌ(ジェニファー・デッカー)との恋愛物語がバランス良く配された構成に手際の良さを感じる。ただ、整い過ぎて展開の起伏が乏しくなった感も。

しかし、ドイツの巨大飛行船によるパリ空爆を阻止するローリングスらの戦闘機部隊と、独軍の戦闘機部隊との空中戦は迫力満点。派手なレーザー光線が飛び交うSFものと違って、西部劇や時代劇を思わせる宿敵同士の一騎打ちに胸が躍る。ちなみにビル監督は、自身も14歳で曲技飛行の免許を取得したパイロットだという。

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