産経Webへ戻る SANSPO.COM ZAKZAK iZA! FBi
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | MSN産経ニュース
ネットやITツールが小道具に
映画「ディスタービア」 名作「裏窓」進化形
2007/10/26 産経新聞    東京朝刊 by 岡田敏一
退屈しのぎに双眼鏡で隣家を覗(のぞ)いていたら、殺人現場を目撃−。11月10日公開の米ティーン向けスリラー「ディスタービア」(D・J・カルーソ監督)は、スリラーの金字塔、アルフレド・ヒチコック監督の「裏窓」(1954年)を現代風にアレンジした佳作だ。単なるリメークにせず、設定にひねりを加え、若者に身近なネットやITツールを小道具にしているのがポイント。米で予想外のスマッシュ・ヒットとなったのもうなずける。

「裏窓」との比較も楽しい「ディスタービア」
「裏窓」との比較も楽しい「ディスタービア」

行楽地から父が運転する自家用車で帰宅途中、交通事故に遭い、目の前で父が事故死した主人公ケール(シャイア・ラブーフ)。けがは軽かったが、深い心の傷を負った彼は高校で教師を殴り裁判所から3カ月の自宅軟禁処分を受ける。

自宅から半径30メートルを超えると警察に連絡が行く監視システム付きの足かせを片足にはめられ、自宅内で暇を持て余す彼は、友人のロニー(アーロン・ヨー)と隣家の様子を双眼鏡で覗き続けて憂さ晴らしをするが、ある夜、血まみれのゴミ袋を引きずる人影を目撃する。そのころ、近辺では、赤毛の女性ばかりが行方不明になる事件が多発していた…。

「裏窓」の主人公は足を骨折して部屋から動けなかったが、こちらは半径30メートルなら自由に動き回れる。そのため物語展開に多様性が加わった。

そして、最大の違いは、「裏窓」当時はなかったインターネット関連のハイテク機器が物語の展開上、重要な役割を果たしていることだろう。

パソコンや携帯電話、アイポッドという現代の“三種の神器”はもちろん、デジタルビデオカメラや動画投稿サイトのユーチューブまでが登場。若者にとっては、日頃使いなれた身近な道具ばかりなので、物語の世界に自然とのめり込むことができる。もちろん恋愛物語の要素も忘れない。

米では今年4月の公開直後から全米興行収入チャートで3週連続1位。結局、10週間にわたりトップ10にランクインする予想外のヒットとなった。今夏の米SF大作「トランスフォーマー」で知名度を上げる直前のラブーフ演技も初々しい。

産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
2007(C)SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.

ここは記事のページです

淀川長治の銀幕旅行