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1970年代活躍のバンド中心
LPレコード続々再生産 手作り感が新鮮 
  東京朝刊 by 安田幸弘
アナログ時代を象徴するLPレコードを、大手レコード会社が続々と再生産している。ターゲットはかつてLPに親しんだ40代から団塊世代だが、「音色やジャケットに驚いた」と若い世代にも新鮮に受け止められているという。今やLP生産工場は1カ所のみになってしまったが、このブームを受けてプレス機を増やして対応。レコードプレーヤーもコンスタントに売れている。

発売されたLPレコード。30センチ四方のジャケットには迫力がある
発売されたLPレコード。30センチ四方のジャケットには迫力がある

インペリアルレコードは今年2、3月に、1970年代に活躍した「Tレックス」の作品など計12タイトルを発売した。紙ジャケットで復刻した洋楽CDが評判だったことなどから、「本元」のLPレコードの再生産に踏み切ったという。

「アナログ特有の何ともいえない温かみは、CDでは表現できない。これをもう一回、世の中に出したいと思いまして」と制作に携わった同社の菅沼智美さん。「手がかかっているんですけど、その手作り感がアナログの価値を高めている」と話す。

コロムビアミュージックエンタテインメントは昨年10月から今年1月にかけて、美空ひばりの作品など15タイトルを発売。ユニバーサルミュージックも8月にポリスや井上陽水、フルトヴェングラー指揮の名作など計50タイトルを発売する。

国内で唯一、LPの生産工場を持つ東洋化成(横浜市)では、最近の盛り上がりを受けて一昨年にプレス機を4台から6台に増やした。状況によっては「さらに増やす可能性もある」という。

オーディオ製造販売「DENON」によると、レコードプレーヤーの出荷台数もわずかずつだが伸びており、約15万円の高級プレーヤーも毎月数十台が安定して売れているという。

CDが登場し、飛ばし聴きが当たり前になって久しい。最近は「着うた」を利用したサビだけの「部分聴き」も普及しつつある。しかし、LP再生産を機に「かつてのように、じっくり音楽を味わうスタイルがよみがえってほしい」(ユニバーサルの担当者)というのも作り手側の共通の思いだ。



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