トリックは共有財産?
「タネ明かした」マジシャン、日テレを訴える
東京朝刊
テレビ番組で手品の種を暴露されて損害を受けたとして、プロやアマの手品師49人が1日、日本テレビとテレビ朝日に慰謝料など計約198万円の賠償などを求める訴えを東京地裁に起こした。原告側の弁護士によると、手品の種明かしによる財産権侵害をめぐる訴訟は初めてという。
訴えたのは、日本奇術協会副会長の藤山新太郎さん(52)ら。
訴状によると、両局は昨年11月、手品用に五百円硬貨に穴を開けるなど加工したとして、大阪市内の手品用品店経営者らが貨幣損傷等取締法違反容疑で逮捕されたことを報じた報道番組の中で、硬貨を使った手品の種を紹介。
たばこが貫通するように見せる「シガレットスルー」や、端をかみ切った硬貨を元に戻す「バイツアウト」に使われるギミックコイン(手品用に一部加工したコイン)の仕組みをキャスターが実演するなどして明かした。
原告らは、「手品の種は手品師全体の共有財産」としたうえで、ギミックコインの存在や仕組みが暴露されることで、トリックの価値自体がなくなると主張。ギミックコインの購入価格の約7割が、トリックの価値にあたるとした。精神的苦痛に対する慰謝料も要求している。
日本テレビ放送網の話「訴状が届いておらず、コメントは控えたい」
テレビ朝日の話「報道内容に問題はなかったと考えている。訴状を検討し対応を決めたい」
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