T・M・Revolutionの西川貴教が主演するブロードウェー・ミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード〜努力しないで出世する方法〜」の大阪公演が、16〜19日に梅田芸術劇場メインホールで行われる。西川自身は「リトルショップ・オブ・ホラーズ」以来8年ぶり2度目のミュージカル挑戦だが、大阪上演は今回が初めて。「関西は地元(滋賀県出身)だし、格別な想いがあります。立派な劇場に負けない舞台にして、次の大きなステップにつなげたい」と意欲的に語った。
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フィンチ役を明るく、軽やかに演じる西川貴教 |
T・M・−の活動は昨年5月で10周年を超えた。「ミュージカルのお話は3年ほど前からいただいていたんですが、10周年の節目をきっちり着地してからやりたかった。そのアルバム制作とツアーが無事に終わったので、昨秋からチョイスしてこの作品に決めたんです」と西川。
映画でも有名な「ハウ・トゥー・サクシード」は、1961年に米ブロードウェーで初演され、大ヒットした名作。95年にはリメークされて主演のマシュー・ブロデリックがトニー賞の主演男優賞を受賞した。日本での初演は64年(坂本九主演)で、96年には真矢みき主演の宝塚歌劇(花組)、2000年には高嶋政伸主演でも上演された。
ビルの窓ふきをしていたフィンチはある日、「努力しないで出世する方法」という本を手に入れ、マニュアルの通り大企業に潜り込み、トントン拍子に出世。同じ会社のローズマリーとも相思相愛になり、重役にまで上り詰めるが…という、サラリーマンの日常的な生活を描いたコメディー。今回は時代を現代に設定し、就職するのはIT企業、マニュアルは書物ではなく携帯のメールマガジンに変えている。
「ぼく、勤め人をやったことないし、すごい人たちが演じられた歴史もある。最初は悩んだけれど、今の日本には、明るくポジティブな笑いが必要じゃないかと思って。“努力しないで…”とサブタイトルにはあるけれど、フィンチは要領がいいだけじゃなくすごく努力しているし、ほかの登場人物も全員が前向きで一生懸命。見終わったあと、明日からがんばろうという気持ちになっていただいたらうれしいですね」
舞台をオーバーアクション気味に軽快に歌い、踊る“西川フィンチ”は憎めない愛嬌(あいきょう)があり、元気いっぱい。ローズマリー役の大塚ちひろとのキスシーンも注目だ。
「もちろんミュージシャン活動が中心だけれど、テレビやラジオや舞台などを含めて、ぼくの多面的な部分を見てほしいですね。このところいろんなスイッチをスムーズに切り替えられるようになって、それぞれがアーティスト活動に全部、プラスになっている」と自信をみせた。
共演者はほかに、ミュージカル初出演の三浦理恵子、団時朗、赤坂泰彦、藤本隆宏ら。翻訳・訳詞・演出は菅野こうめい。全6公演。問い合わせはキョードーチケットセンター(電)06・6233・8888。