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豆を砕き、24時間以内に抽出
スタバやタリーズと提携 チルドコーヒー競争激化 
  東京朝刊 by 高橋寛次
清涼飲料各社がチルド(冷蔵)カップコーヒーの商品展開に熱を入れている。伊藤園は14日に、昨年買収したタリーズコーヒージャパンと初めて共同開発した新商品「タリーズコーヒー バリスタズスペシャル」を発売する。チルドコーヒーは本格的な味わいが受けて、清涼飲料でも珍しい成長分野となっており、最大手の日本コカ・コーラも参入するなど、販売競争が激化。高級志向など多彩な商品が登場してきた。

伊藤園が開いたチルドカップコーヒーの発表会には、テレビCMに出演する歌手のクリスタル・ケイさんが登場して商品をアピールした=9日、東京・丸の内(撮影・高橋寛次)

伊藤園の新商品は「各生産国の最高級のコーヒー豆を厳選して使用した」(社三雄常務)。焙煎(ばいせん)して5日以内に豆を砕き、24時間以内に抽出するなど、鮮度管理を徹底したという。関東1都6県のコンビニで発売し、今後、販路の拡大を検討する。

同社がチルドコーヒーに参入するのは、コーヒーを緑茶や野菜飲料と並ぶ柱の一つに育てたい考えからだ。缶コーヒーは販売しているものの、他の飲料大手と比べて売り上げは小さい。スターバックスなどと同じくカフェとしての知名度が高い「タリーズ」を冠した新商品で成長分野に参入することで、缶コーヒーとの“2本立て”で拡販を目指す。

冷蔵で流通するチルドコーヒーは、風味を損なう加熱処理をせず、専門店に近い本格的な味わいを楽しめるのが特徴。カップにストローをさして飲むスタイルが、缶コーヒーを敬遠しがちな女性の需要も取り込んでいる。伊藤園によると、平成18年の市場規模は前年比22・3%増の530億円に成長している。

この市場では「マウントレーニア」ブランドを確立した森永乳業が首位を走る。スターバックスと提携したサントリーが販売している商品も人気で、今月29日には日本コカ・コーラも商品を発売する。競争は激しさを増し、新たな大手メーカーの参入も取りざたされている。

チルドコーヒーは5年に森永が発売し、その後各社が新商品を投入。まだ歴史の浅い市場のため「容量や価格もばらばら」だが、コカ・コーラの「パティシオーレ」は、冷たく保温しやすいアルミ製容器入りで200ミリリットル189円。森永も昨年、既存商品より42円高い「マウントレーニア カフェラッテ プレミア」(240ミリリットルで179円)を販売するなど、高級タイプの投入が目立っている。



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