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“母校”でシテ 
狂言「飛越」小笠原匡に聞く
5月13日(日)  東京朝刊 by 生田誠
国立能楽堂能楽研修生出身の和泉流狂言師、小笠原匡(ただし)が16日、東京・千駄ケ谷の同能楽堂で開かれる定例公演で狂言「飛越(とびこえ)」を演じる。「この舞台(国立能楽堂)には特別の思い入れがある」という小笠原に話を聞いた。

小笠原匡

「狂言は高校を出て、野村万之丞(五世、当時・耕介)先生に習っていたんですが、国立で第2期生の研修生募集があることを知り、応募したんです」

昭和40年、東京都生まれ。研修終了後も野村萬、五世万之丞に師事して、プロの狂言師となった。研修生出身の狂言師で、同能楽堂の主催公演でシテ(主役)を務めるのは小笠原ひとり。稽古を積んだここの能舞台には、特別の思いがある。

これまでは「清水」や「真奪(しんばい)」などポピュラーな曲を演じてきたが、今回の「飛越」は珍しい曲。僧侶(小笠原)と男(野村万蔵)が茶会に出掛ける途中、小川に出合う。軽々と飛び越えた男に対して、飛ぶことができない僧侶。それを笑われたことで二人はけんかを始める。

「一門でやったことがあるのは(弟弟子の野村)扇丞くらい。扇丞と万蔵先生に教わりながら、おもしろいものにしたい」。「飛越」は上演される舞台を見たこともないというが、「妻の実家が真言宗のお寺なので、新発意(しんぼち)もの(見習い僧を扱った曲)は積極的にやっているんです」。今年から千葉大学客員教授となり、新作狂言作りにも熱心な活動を続ける小笠原の舞台に期待したい。

午後6時半開演。ほかに永島忠侈による能「須磨源氏」も。問い合わせは(電)0570・07・9900。



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