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すべて日本語 医療費の値切り交渉も
海外で病気・事故…困った 適切治療サポート EAJ
  東京朝刊 by 福田雄一
海外駐在先で病気やけがになれば、医師、看護師と言葉が十分通じないために不安だ−。そんな悩みを解決する緊急医療アシスタンスのサービスを行うのが、日本エマージェンシーアシスタンス(EAJ、東京都文京区)だ。専門知識を持つスタッフが緊急時の顧客に代わって、適切な医療を受けられるよう現地の病院との“橋渡し役”を務めて成長を続けている。同社は来年末までに法人契約数を300社に増やす目標を掲げている。

海外で重傷となって帰国が必要な場合も、本人にかわって飛行機の搬送の手はずを整える
海外で重傷となって帰国が必要な場合も、本人にかわって飛行機の搬送の手はずを整える

EAJの設立は平成15年。海外に滞在する顧客の緊急時の手助けを行う「医療アシスタンス」のサービスは、主にフランスで盛んだ。「フランス人は自国語以外の言語が不得手で現地の“アシスト役”を必要とする。日本人も同じはず」。吉田一正社長が同社を設立したきっかけだ。

海外駐在は病気そのものより「日本の病院との勝手の違い」から、精神面に負担がかかる。そこでEAJは「日本語が話せる日本人スタッフが、日本標準のサービスを施す」ことで、不安解消に努めるというわけだ。

具体的には、海外に滞在している顧客がけがや病気になった場合、医療知識と語学力を兼ね備えたスタッフ150人が、病院の手配や帰国を要する事態なら搬送の飛行機の手配まで請け負う。

また、医療制度の違いから日本より高額な治療費請求の“値切り”交渉まで行う。実際に、米国の病院が要求した治療費1000万円を、その10分の1まで減額させた実績をもつという。また、飛行機による搬送も年150回行っており、専属の看護師も同乗する。

さらに、緊急時だけではなく病気に備えた事前の支援態勢にも力を入れる。ぜんそくの持病を持つ子供がいれば、同社スタッフが治療できる病院を探したりする。

サービス料金は法人契約で年間400万円から10万円。現在、官公庁や海外展開する企業80法人と契約を結んでおり、「来年末までに300社に増やしたい」(吉田社長)としている。

EAJは将来的に、現在のノウハウを活用し、医療だけでなく日本人の海外生活のすべてを支援する「秘書役サービス」を実施したい考えだ。

例えば、海外に駐在する家族に代わってチケットを取ったり、パーティー会場を押さえたりするサービスを想定。吉田社長は「今のスタッフのサービス水準とノウハウがあれば可能」と業容拡大に意欲を示している。



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