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10分間/着替え不要
“コンビニ”フィットネス拡大中 
  東京朝刊 by 山口暢彦
トレーニングウエアへの着替えは不要。運動は10分間で料金ワンコイン(500円)。入会手続きも特にいらない−。短時間で手軽に運動できる“コンビニ”フィットネスが急増中だ。昨年秋、専用マシンを置いた大阪のサロンが注目されると、瞬く間に全国に拡大した。「忙しい中でも健康に気を配りたい」という現代人のハートを、がっちりつかんだようだ。

買い物途中に
500円玉を料金箱に入れ、マシンに上ってボタンを押すと、踏み台が高速で振動。それに応じて、腹や尻、太ももの筋肉がものすごい勢いで震える。

こんなフィットネスマシンを30台そろえ女性に人気なのが、今年2月にオープンしたサロン「FAST FIRST(ファースト・ファースト)」(東京都渋谷区)だ。うたい文句は「10分500円の楽ちんフィットネス!」。

「フィットネスクラブのように入会金を払ったり、着替えたりといった面倒がありません。買い物や仕事の途中にぶらり立ち寄れます」と、運営する「エスアンドピー」(世田谷区)常務執行役の佐々木俊三さん。

マシンの振動数は変更可能で、最大、ウオーキング約2時間(約1万5600歩)に相当する運動量に。またマシン上でポーズを変えると“効果”を及ぼす部位も変わり、例えば、真っすぐ立てば「ウエストの引き締め」、ひざを曲げ、かかとを上げれば「下半身の引き締め」が期待できるという。

「お客さまの男女比は3対7。夕方は会社帰りのOLさんたちでいっぱいになる」と佐々木さん。取材に訪れた平日午後3時ごろは、2人連れの“茶髪・ガングロ”ギャルやOL、主婦らが、入れ代わり立ち代わりやってきた。

このうち、横浜市に住む50代の女性会社員は、「仕事の合間に時間が空いたので寄った。喫茶店でお茶を飲んで時間をつぶすより、健康にいいことをしたいと思ってきた」と話した。

メタボ予防に
「FAST FIRST」が使っているマシンは、フィットネス器具の製造をてがけるユニゾントラスト(大阪)が昨年春に販売を始めた「Vバランス」。

昨年9月、大阪・心斎橋にこのマシンを20台以上置いた専門サロンがオープンすると、すぐさまテレビで取り上げられ、一躍“人気スポット”に。同様のマシンは同社以外からも発売されていたが、病院やスーパー銭湯などに置かれるケースが多かった。

「忙しい日々の中でも健康作りはしたいという都会人の心をつかんだ」(佐々木さん)Vバランスはその後、関西圏で置く店が急増。そして、東京都内初の本格的な専門サロン「FAST FIRST」がオープンした。

今では、Vバランスを置くフィットネスサロンなどは全国で150カ所以上に。わずか1年での快進撃をみて同様の機械を新たに製造する業者も登場し、今後、マシン開発競争も熱を帯びそうだ。

これからの展開について、ユニゾントラストの鳥井純治さんは「男性の利用者を増やしていきたい」という。続けて使用すれば内臓脂肪面積が減るというデータもあり、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防に活用してほしい」と話している。

忙しい社会で高まるニーズ
「低価格・短時間でスッキリ」。忙しい現代社会では、こんなサービスへのニーズが高まっているようだ。

「5分500円」から耳そうじをしてくれることで最近話題になっているのが、アスカ(広島)が展開する「みみくりん」。平成17年12月、東京都新宿区内に1号店をオープン。拡大を続け、今では全国で約30店舗運営するまでになった。

イスに座ったまま「10分1050円」からマッサージを受けられて人気なのは、グローバルスポーツ医学研究所(東京)が展開するクイックマッサージ「てもみん」。都心部や駅前を中心に、全国に展開している。

散髪では、キュービーネット(東京)が「10分1000円」をうたい運営する「QBハウス」。サービスはヘアカットのみで、洗髪、顔そりなどを省き作業を効率化した。現在、全国で300店舗以上を展開している。



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