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京大調査「健康より価格」
たばこ1箱千円なら9割禁煙 
  東京朝刊 
たばこの価格が1箱約1000円に値上がりすれば、ヘビースモーカーでも9割が禁煙を考えるが、健康に対する危険性を訴えても禁煙に結び付きにくいとの研究結果を、京都大大学院の依田高典教授(応用経済学)らが21日、発表した。


依田教授らは「ニコチンに対する依存度が高まるほど、将来の利益である健康と比べ、現在の価格を重視する傾向がある。禁煙には小刻みな値上げでなく、大幅な値上げが有効だろう」と話している。

調査は成人男女の喫煙者約600人に行った。「1日何本吸うか」などの設問から喫煙者をニコチン依存度別に高度から低度の3段階に分類。(1)価格(2)健康への危険(3)公共の場での喫煙に対する罰金−などの要素によって、禁煙をしたいかどうかを尋ねた。

その結果、高度の喫煙者の場合、健康上の危険性を伝えたり、罰金がある場合でもほとんど禁煙につながらなかったが、価格が700円を超えれば約半数が禁煙を決意し、1000円なら約9割が禁煙を考えることが判明した。

一方、現在の価格の約2倍である600円だと中度の約6割、低度の約8割が禁煙を考えることが判明。また中度、低度の喫煙者は高度と異なり、死亡や長期入院の可能性を訴えることも、ある程度有効だったという。

たばこ問題情報センター(東京)の渡辺文学代表の話 禁煙にたばこ価格の値上げが有効なのは世界保健機関(WHO)なども指摘しており、重要な研究。喫煙率が日本の半分から3分の1の欧州では、価格は600円以上が多く、日本は先進国としては際立って安い。値上げすれば未成年者の喫煙も減る。国は欧州並みにたばこ税を増税すべきだ。



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