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「原点に戻り」
フジ系スペシャルドラマ「星ひとつの夜」渡辺謙に聞く 
  東京朝刊 by 安藤明子
国際派俳優として活躍する渡辺謙がフジテレビ系の金曜プレステージ・山田太一ドラマスペシャル「星ひとつの夜」(25日後9・0)で3年ぶりにドラマ出演する。脚本家の山田が「この役は謙さん以外に考えられなかった」とラブコールした主人公は孤独な清掃員だ。渡辺は「もう一度、原点に戻ってみないかという誘いをいただいた気がした」と作品への熱い思いを話した。

俳優の渡辺謙(撮影・寺河内美奈)
俳優の渡辺謙(撮影・寺河内美奈)

「ラストサムライ」でハリウッド進出を果たして4年。今年公開された「硫黄島からの手紙」での熱演も好評を得、“世界のワタナベ”への期待は高まる一方。だが本人は「大きな作品が続いて、自分がこれからどこに向かうべきかと少し迷っていた」と明かす。

山田から、遠慮がちに「こんな話なんですが…」と打診を受けたのは1年以上前のそんなときだった。山田作品は2度目の出演。準備稿を読んだ渡辺は「自分の心情にぴったりフィットした。僕は世間に思われているほどテレビだとか映画、舞台だとかのこだわりはなく、やるならばテレビでしかできないことをやりたいと思っていた。だからぜひやりたい」と快諾した。

ある事情から他人との接触を避け、コンサート会場の清掃員として働く野々山がその役。忘れ物のコートのポケットに大金を発見した彼がダイレクトメールの住所の持ち主(玉木宏)を訪ねたのがきっかけで、互いに人間関係に臆病(おくびょう)だった2人が次第に心を通わせていく。

渡辺は昭和62年のNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」で人気を確立。以降、テレビを中心にして活躍したが、6、7年前、各局で主演していた2時間ドラマのシリーズをすべて辞めた。「内容がどんどん過激になり、きちんと人間を描くものが少なくなった」のが理由。そして映画の世界に入っていった結果としてハリウッドがあったという。それだけに今作にかける思いはひとしおだ。

「山田先生が、殺伐としたニュースが多い今の世の中だからこそ、人とのかかわりをきちんと見せたいという気持ちで書かれた話。できるだけていねいに演じ、1つ1つのせりふを体の中から吐き出せるように心がけました」

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