パソコンがずらりと並ぶオフィス。殺風景なうえ、機械から放たれる熱でこれからの季節は、どうも快適とはいえない。そんな環境にちょっとでも潤いを与えるべく、パソコンの「USB」が今注目を集めている。
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ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの特設コーナーには、10種類以上の「USB扇風機」が並ぶ=東京都千代田区 |
USBを利用した製品で活気づくのが“季節もの”商品だ。「これからの時季はずばり扇風機。昨年ぐらいから急速にラインアップが充実してきました」と解説するのは、ヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京)の担当者だ。同店ではゴールデンウイーク前から“特設コーナー”を設置した。
簡単に言えば「小型の扇風機」。パソコンのUSBポートに差し込んで使用することで“自分だけ”に風を当てることができる。「省エネの観点から冷房をつけないオフィスが増えている。USBを利用することで、電源の場所を気にすることなく扇風機を設置することができる」。こう利点を語るのは、USBを活用した商品を発売しているエレコム(大阪)だ。
同社は昨年から扇風機2種類を発売し好調な売り上げを記録。今年は3種類に増やして、売り上げ増を狙っている。
同じく“季節もの”を展開するのが、サンワサプライ(岡山)だ。扇風機も取りそろえるほか、「USB座布団」「USBひざ掛け」「USBスリッパ」を展開する。スリッパなどから出ているコードをUSBポートに差し込むことで、生地がほんのり温かくなる。寒い時期のほか、室内が冷えすぎている場合に重宝する。
姿勢が悪くなりがちなパソコンでの業務。猫背のまま長時間座りっぱなしであることも珍しくない。
USB関連商品の開発や販売を手がけるサンコー(東京)が今月から販売を開始して好調なのが「USB姿勢矯正アラーム」。USBポートからつないで画面上部に設置したセンサーにより、頭が画面から35センチ以内に15秒以上近づくと警告音が鳴り、姿勢の異常を知らせる仕組みだ。
また同社が開発してヒット商品となっているのがラジオ。発売する「USB FM/AM Radio」は、パソコンのUSBポートに接続することで、パソコン上でラジオが聴ける。チューニングもパソコンででき、操作によって留守の時でも録音ができる。「USBポートは数も増やしやすく、パソコン利用時には“手元のコンセント”ともいえる」と同社広報では解説する。
安全性を高めるためにUSBを利用する商品もある。エレコムの「CR−FP2」は、USBポートに差し込むだけの「指紋認証機能装置」だ。ポートに差して読み取り部分を指でさわることで、ログインなどパソコンを操作する際の本人確認に利用することができる。