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小物にこだわり派も
浴衣を楽しむ 洋服感覚…おしゃれに
  5月27日(日)  東京朝刊 by 村島有紀
浴衣を着物風に着こなしたり、洋服のような感覚で小物を合わせたりする人が増えているようだ。百貨店やスーパーマーケットの浴衣売り場をのぞくと、バラやランなど洋花をあしらった浴衣や、スパンコールやオーガンディ、レースなどをあしらったきらびやかな小物類が目を引く。足が痛くならないサンダルタイプの履物も登場し、浴衣をおしゃれ着として楽しむ“和”ブームが広がっている。

浴衣に合わせる小物類で、個性を競う人が増えている=東京・西武池袋店
浴衣に合わせる小物類で、個性を競う人が増えている=東京・西武池袋店

自分らしく
「浴衣の柄が大きくはっきりしてきて、まるでお洋服。2枚目、3枚目と持つ人が増え、自分らしいおしゃれにこだわる人が多いようです」と話すのは西武池袋店(東京)呉服売り場の販売リーダー、中山佳子さん。

今年は婦人服の人気ブランド「ピンキー&ダイアン」と「ナチュラルビューティー」が新たに参入。ブランドイメージと同様、「ピンキー」は大胆で個性的、「ナチュラル」はシックで上品と、洋服と大差のない色使いが特徴だ。

また、紺地や白地という伝統的な浴衣地に、直径15センチほどもある大きなバラやダリアなどの洋花をあしらった柄の登場も今年から。「着物離れ」といわれた一時期と比べ、和装を楽しむ人が増えたことから、「浴衣といえども、(洋服と同様)ほかの人と同じものは着たくない」という心理にこたえ、これまでになかった柄を扱うメーカーが増えたらしい。

普段から
もう一つの変化は、小物類の充実だ。浴衣売り場には、帯締めや帯留め、足袋など、浴衣には使わない小物類が所狭しと並ぶ。

「浴衣を着物のように着こなす方が増えました。2、3年前に売り場に置いたときは『ふーん』と冷ややかな感じだったのに、今はすっかり定着した」と中山さん。

同店では4月中旬から浴衣売り場を設置したが、5月13日までの売り上げは昨年同期比の1・8倍。牽引(けんいん)役は、30代後半から40代の女性で、浴衣と帯に加え、帯揚げと帯締めをセットで買ったり、レースの襟飾りで変化をつけたりと、春の外出着として活用する人も。

24日に店内に「銀座ゆかたガーデン」を開設した銀座三越(東京)も、昨年より100枚多い1000枚の浴衣を用意。花火大会やお祭りだけでなく、街着として普段から楽しめる「夏のカジュアル着物」と、提案していくという。

低価格化
より簡単に浴衣を着ようという動きも広がっている。6月12日から「ゆかたブティック」をオープンするプランタン銀座(同)は、半幅帯ではなく「へこ帯」のバリエーションを充実させる。大人用のへこ帯は「(半幅帯より)簡単に結べてかわいい」と人気だ。同店では、薄い生地やハリのある素材のものを2、3枚重ねて、ボリュームのある着こなしをすすめる。

『染め』にこだわったイトーヨーカ堂のオリジナル浴衣。帯留めとコサージュを合わせると『今年風』になる

また、日本独自の染色技法を用いたオリジナル浴衣60種を販売するなど、浴衣に力を入れる「イトーヨーカ堂」は、見た目はげただが、実は鼻緒がなくて足が痛くならない和装履物「サンダル・ハイヒール」なども用意し、より出歩きやすいスタイルを提案している。

さらに低価格化も進む。百貨店で浴衣と帯をそろえると4万〜5万円、スーパーでも1万〜2万円前後かかることが多いが、ユニクロは3990円の浴衣と帯などのセットを4年前から販売。以後、毎年売り上げが増え、10代から20代の若い女性が水着感覚で買っていく。なかには、花火大会などのイベントごとに買い替えたり、一度に2セット買ったりする姿も。「浴衣に対して“構え”がない若い人が増えている」と広報担当の青野光展さん。浴衣の着こなし方はさまざまだが、“和”を現代に取り入れる流れは今後も続いていきそうだ。

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