平均よりやや高めの169センチ?
肖像画の着衣などで推定 龍馬の身長は…
2007/11/05 産経新聞
大阪夕刊
幕末の志士、坂本龍馬の身長は169センチ、武田信玄は162センチ? 肖像画などで人物とともに描かれている着衣や所持品をヒントに、解剖学的に身長を推定する手法を、北里大の平本嘉助講師(解剖学、10月死去)と山梨県甲州市の郷土史研究家、矢崎勝巳さんが開発した。
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身長が高かったとされている坂本龍馬。実際は平均よりも若干高かっただけのようだ(高知県所蔵) |
2人は、ほとんどの和服の襟幅が当時から6センチか6・5センチのいずれかであることに着目。龍馬の全身写真で身長を計算したところ、156〜169センチとなった。龍馬はかなり身長が高かったともいわれているが、平本さんが計算した江戸時代の男性の平均160センチ弱より、やや高い程度だったようだ。
肖像画で扇子を持っている戦国武将の武田信玄については、徳川将軍が使用したとされる扇子の長さなどから、紙が張られた部分を17センチと推定。上腕骨と身長に相関関係があることから、左上腕骨の長さを約31・5センチと見積もったところ、身長は約162センチとなった。ただし、この肖像画については信玄とは別人との説もある。
このほか、豊臣秀吉の側室「淀の方」は着物の襟幅と肖像画から約168センチと推定。小説家の樋口一葉は写真の襟幅から、戦国武将の加藤清正は肖像画の扇子から、それぞれ141〜146センチ、159センチと計算した。
肖像画から推定する場合、没後に描かれたものや写実性に乏しいもの、腕の長さが分かりにくい衣服を着たものは不適当という。
矢崎さんは「推定身長なので誤差があるが、歴史を楽しむ方法としては面白いと思う」と話している。
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