MSN産経ニュース SANSPO.COM ZAKZAK iZA! FBi
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | MSN産経ニュース
「思い出の場所で最後」のクララ
恒例「くるみ割り人形」公演 森下洋子に聞く
2007/11/07 産経新聞  大阪夕刊
国内外の数々の舞台で活躍してきた「松山バレエ団」のプリマ・バレリーナ、森下洋子。今年もまたフェスティバルホール(大阪市)で、「くるみ割り人形」の主人公・クララを踊る。老朽化による立て替え(来秋)が迫る同ホールは、小学生時代の森下とバレエを出会わせた思い出深い場所。それだけに、同団としてホール最後の公演を前に「人を愛する純粋な心を持つクララを通して、人はこれほど人を愛せるということを舞台から発信したい」と力を入れて語った。

「くるみ割り人形」でクララを踊る森下洋子(左)
「くるみ割り人形」でクララを踊る森下洋子(左)

「くるみ…」は、「白鳥の湖」「眠れる森の美女」と並ぶチャイコフスキーの三大バレエのひとつで、クリスマスの夜、クララが見る夢の世界を舞台に、少女の愛を描いた物語。日本でもクリスマスシーズンの風物詩として定着している。

同団では、森下の夫で団総代表の清水哲太郎が演出・振付。少女であるクララが一人の人間として大きく成長したプロセスを描く。26年前の初演以来、300回近くクララを踊った森下は「クララがとてもいとおしい」と、役に対する愛着をみせる。

最大の見せ場は、2幕の最後。一般的には、お菓子の国でクララが王子と踊る約8分間のグラン・パ・ド・ドゥのみだが、同団ではその後、バイオリンのソロに合わせて10分にもわたって踊る王子との別れのパ・ド・ドゥがある。

「体力的にも技術的にも相当きつい場面」だが踊り切る。3歳でバレエを始め、すでに舞踊歴は55年を超えた。「いまも全幕を踊り切る世界でも数少ない現役のひとり」と清水も絶賛する。

身長150センチ、体重38キロという細く小柄な体形のどこにそんな体力があるのだろう。

「出会ったときからずっと続けていこうと決めたくらいバレエが好きで、辞めようと思ったことは一度もありません」と話し、いまも毎日5〜6時間の練習を欠かさない。時が大切に思え、練習で新鮮な気持ちになれる。若いときよりもこの思いは強いという。

舞踊への強い執念を感じさせるが、「不器用だから時間がかかるのね」と背筋をピンと伸ばした美しい姿勢でゆっくりとほほえんだ。公演は18日午後3時から。問い合わせは同ホール(TEL06・6231・2221)。

携帯版SUMiRE STYLE スミレモバイル登場




産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
Copyright(C)2007 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.

ここは記事のページです
携帯で読むSUMiRE STYLE