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売上高１兆円へ試金石
ユニクロ、英「再挑戦」 ロンドン目抜き通りに旗艦店
2007/11/08 産経新聞
東京朝刊 by 飯田耕司 ロンドン・木村正人
カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは７日、ロンドンの目抜き通りのオックスフォードストリートに旗艦店と大型店を同時オープンした。平成１３年に英国に進出したが、一流ファッションブランドの本場、欧州の敷居は高く、大幅な事業縮小を余儀なくされており、今回はいわば“リベンジ”となる。
ユニクロブランドの知名度アップや普及を目指す海外旗艦店はニューヨーク、上海に続き３店目。パリにも出店を計画しており、悲願の売上高１兆円の実現に向け、グローバル戦略を加速する構えだ。
約２マイル（約３・２キロ）のオックスフォードストリートには、世界の有名ブランド約３００店が軒を連ねる。そのほとんどが各ブランドを代表する旗艦店という世界有数のファッションエリアだ。スウェーデンの「Ｈ＆Ｍ」や米国の「ＧＡＰ」など、ユニクロのライバルとなるカジュアルウエアブランドも出店している。
ユニクロの旗艦店は地下１階地上２階建てで、売り場面積２３００平方メートル。幅２２・５メートルの広い玄関が特徴だ。「今風の格好いい日本」をコンセプトに、柔らかい色合いのカシミヤセーターやボトル入りＴシャツなどを取りそろえた。
柳井正会長兼社長は「ロンドンは欧州、中東、インドなど多様な人種が集まる世界のショーケース。西洋でも東洋でもない日本発のユニクロは受け入れられる」と期待する。
もっとも、柳井会長にとって、ロンドンは苦い思い出の場所でもある。１３年の進出では５０店の展開を目標に掲げ２１店まで増やしたが、苦戦が続き、１５年８月期に３０億円の損失を計上し５店への大幅縮小を決断した。その後、徐々に盛り返し、この日の２店で１３店体制となる。
２２年８月期に売上高を現在の２倍近い１兆円に拡大する目標達成には、海外事業の拡大が必須条件。その重責を担うのが、海外旗艦店だ。
同社の門田剛執行役員は「海外でユニクロはまったくの無名。世界の競合と互角に戦うには、旗艦店で知名度とブランドイメージを高める必要がある」と話す。
米高級衣料品店のバーニーズ・ニューヨークの買収に参戦したのも、そのためだ。柳井会長も「国内と違い、知らないことだらけ」と海外の困難さを率直に認める。欧州でも１７年に仏婦人服ブランド「コントワー・デ・コトニエ」などを買収。有名ブランドのオーナー企業となることで知名度やステイタスを高め、欧州ファッション界にパイプを築くなど、リベンジの準備を進めてきた。
今度こそ、世界のファッションの目抜き通りで通用するのか。ロンドン旗艦店は、ユニクロの海外展開を占う試金石となる。
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| ロンドン旗艦店内でグローバル戦略を語る柳井正会長兼社長（木村正人撮影） |
ユニクロブランドの知名度アップや普及を目指す海外旗艦店はニューヨーク、上海に続き３店目。パリにも出店を計画しており、悲願の売上高１兆円の実現に向け、グローバル戦略を加速する構えだ。
約２マイル（約３・２キロ）のオックスフォードストリートには、世界の有名ブランド約３００店が軒を連ねる。そのほとんどが各ブランドを代表する旗艦店という世界有数のファッションエリアだ。スウェーデンの「Ｈ＆Ｍ」や米国の「ＧＡＰ」など、ユニクロのライバルとなるカジュアルウエアブランドも出店している。
ユニクロの旗艦店は地下１階地上２階建てで、売り場面積２３００平方メートル。幅２２・５メートルの広い玄関が特徴だ。「今風の格好いい日本」をコンセプトに、柔らかい色合いのカシミヤセーターやボトル入りＴシャツなどを取りそろえた。
柳井正会長兼社長は「ロンドンは欧州、中東、インドなど多様な人種が集まる世界のショーケース。西洋でも東洋でもない日本発のユニクロは受け入れられる」と期待する。
もっとも、柳井会長にとって、ロンドンは苦い思い出の場所でもある。１３年の進出では５０店の展開を目標に掲げ２１店まで増やしたが、苦戦が続き、１５年８月期に３０億円の損失を計上し５店への大幅縮小を決断した。その後、徐々に盛り返し、この日の２店で１３店体制となる。
２２年８月期に売上高を現在の２倍近い１兆円に拡大する目標達成には、海外事業の拡大が必須条件。その重責を担うのが、海外旗艦店だ。
同社の門田剛執行役員は「海外でユニクロはまったくの無名。世界の競合と互角に戦うには、旗艦店で知名度とブランドイメージを高める必要がある」と話す。
米高級衣料品店のバーニーズ・ニューヨークの買収に参戦したのも、そのためだ。柳井会長も「国内と違い、知らないことだらけ」と海外の困難さを率直に認める。欧州でも１７年に仏婦人服ブランド「コントワー・デ・コトニエ」などを買収。有名ブランドのオーナー企業となることで知名度やステイタスを高め、欧州ファッション界にパイプを築くなど、リベンジの準備を進めてきた。
今度こそ、世界のファッションの目抜き通りで通用するのか。ロンドン旗艦店は、ユニクロの海外展開を占う試金石となる。
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