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世界では高評価、再参入の道探る?
サムスン家電撤退 「安物」イメージ払拭できず
2007/11/09 産経新聞  東京朝刊
テレビや半導体、携帯電話など多くの分野で世界トップの地位をうかがう韓国サムスン電子が、薄型テレビをはじめ家電販売で日本からの撤退を決めた。「世界一、厳しい目を持つ消費者」(海外メーカー)の選別を受ける市場で、国内勢の強固な壁を崩せなかったためだ。ただ、サムスンは欧米や新興国の一部で日本企業を超えるブランド力を確立し始めており、サムスンの“退場”は逆に日本市場の特異な一面をも浮き彫りにする。

「日本は特に繊細なブランド戦略が求められる市場」。外資系メーカー大手の多くが、こう声をそろえる。

サムスンの薄型テレビは、「性能的には日本製に遜色(そんしょく)ない」(国内大手)。液晶とプラズマの両方式で世界シェア(市場占有率)で最上位グループにあり、薄型パネルの技術開発では世界の先端を走る。インターネット直販の価格は日本製より低価格に抑え、魅力も高い。

それでも日本で販売を伸ばせず、家電事業は実質的に撤退を決断した。そこには、「あと数万円出せば日本製が買える」(国内メーカー)という日本の消費者心理と、「一時みられた安売り攻勢で“安さが売り”のイメージを払拭(ふっしょく)できなかったのが大きかった」(業界関係者)とされる。

サムスンも試行錯誤した。高級雑誌に広告を出したり、国内一流製品が並ぶ大手量販店で自社コーナーを設けた。日本の消費者の目を引く努力も続けたが、「家電メーカーの本場」とされる日本市場参入の壁は高かったようだ。

韓国メーカーでは、米国で販売を拡大する現代自動車の「ヒュンダイ」ブランドも日本で苦戦中だ。また、エレクトロニクスでサムスンと双璧(そうへき)をなすLG電子は、海外で話題を集めた斬新なデザインの携帯電話を日本に投入して市場を広げているが、携帯メーカー名が目立たず、ブランドの浸透効果は不透明だ。

サムスンは周到に参入を準備した欧州や米国では、欧米人好みの色彩や表面加工の製品で消費者の心をとらえ、今や「SAMSUNG」は有力ブランドと認知された。

そのサムスンが世界第2の市場である日本から手を引くのは、成長鈍化で利益率の低い泥沼の競争を続ける市場で経営資源を浪費するのを避け、世界の成長市場に重点を置くためともみられる。

ただ、サムスンが家電王国・日本を無視し続けるとも思えず、国内では「いずれ再参入の可能性もある」との声が強い。

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