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休業「力蓄えた」
“チャイドル”から女優へ 野村佑香に聞く 
2007/11/11 産経新聞  大阪夕刊 by 池田祥子
子役モデルとして活躍し、「チャイドル」(チャイルド=子供、とアイドルを組み合わせた造語)という言葉が生み出されるきっかけにもなった少女時代から数年。大きな瞳はそのころと変わっていないが、雰囲気はすっかり大人の女性になってテレビ画面に戻ってきた。大学在学中に2年間休業していた女優業に復帰し、久々のドラマ出演だが、「楽しんで収録ができました」という。

野村佑香(左)演じる緑子が、傷ついた男女を初恋の人と出会えるサイトへ導く
野村佑香(左)演じる緑子が、傷ついた男女を初恋の人と出会えるサイトへ導く

実在するウェブサイトをヒントに、過去の忘れられない恋を巡った3つのエピソードからなるオムニバスドラマ「初恋net.com〜忘れられない恋のうた〜」(ABC土曜深夜0・30)で、傷ついた男女を初恋の人と出会えるサイトへと導く、不思議な女性・緑子を演じる。

「舞台となる喫茶店も登場人物も謎だらけ。緑子は格好や雰囲気もエキセントリックで、衣装部やメーク部と相談しつつ大いに楽しんでいます。でもその割にはドラマではあんまり映っていなかったな…」と笑う。

80代の紅子(わかぎゑふ)と、若い緑子が客を迎える喫茶「TIME」。店にあるパソコンには、忘れられない人と、もう一度つながることができる恋の同窓会サイト「初恋net.com」が登録されていた。3人の男女が店を訪れ、サイトにアクセスした。もう一度会いたい“あの人”とつづるそれぞれの初恋物語。その結末とは…

実在するサイト「8251net.com」を主宰する放送作家、小原信治が脚本を手がけた異色のドラマ。当然、初恋は経験しているが、「私の初恋の人は地元にいて、いまも交流がある。そうではなくて、経験や年齢を重ねいろんな人生を歩んで、ふとしたときに初恋の相手を思える人たちが訪れる場所だと思うんです」と語る。

平成14年、いちずに志望していた成城大文芸学部ヨーロッパ文化学科に入学。3年生になって女優業の休業を決意した。

「ずっと仕事と学業を両立してきた中で、急がなくてもいいかなと思って。やっぱり4年間で卒業したいなというのがあったので…」

緑子のように喫茶店で働いた(アルバイト)こともあった。「初めて履歴書を書きました。子供のころから芸能界に入って、同世代のみんながやってきていることを知らずに来たこともありました。(休業は)必要な時間だったと思います」。今回の撮影で、当時を懐かしく思い出したという。

復帰したのは、今年公開された映画「子宮の記憶」。服装は派手、言葉遣いも乱暴で、一見だれが演じているのかわからないほど。複雑な感情を持ち、松雪泰子演じる継母に激しい憎悪を向ける難しい役だったが、「監督やスタッフも一緒に仕事をしたことがあった方々だったし、ブランクや不安は全く感じなかった」という。

それよりも、全くイメージの異なる役を演じきったことが、「大学に進学したことを迷った時期もありましたが、むしろ、休業した2年間が、高く飛ぶためにバネを蓄えた期間だと思っていたので、やってやるぞって気合が入った」という本人の決意のほどをよく表している。

「憧れの女優さんはいます。でも自分は自分。どれだけ自分に挑戦していけるかしかないと思うので、いただける役を楽しんで精いっぱいやるだけです」。その印象的な大きな瞳で、これからも、さらにいくつもの輝かしい経歴を重ねていくであろう。

私のお気に入り
「お気に入りは…」といって差し出したのは、2本のペン。万年筆は、米国の老舗ブランド品で、20歳の時に知人にプレゼントされた。「私の小さい手にもよくなじむんです。このシルエットがハヤブサみたいで『ハヤブサ』って名付けているんですよ」。うれしそうにこう言って、ペンを握ってみせた。大学の卒業論文のメモを書き上げる際にも利用した。

もう一本は、自分で気に入って購入したガラスペン。メールも利用するが、「よりあたたかみを感じるから」と、よく手紙も書くという。手紙や誕生日カードを書くときには、このペンを利用する。「私、アナログなものも好きなので…。このペンはインクも落ちないし、本当に使いやすいんです」。文字を書くことが少なくなった現代で、ペンをすでに自分の“一部”とする。美しい文字を書くんだろうと想像できた。

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記事関連情報
野村佑香
のむら・ゆうか 昭和59年3月20日生まれ。3歳でモデルデビュー後、小学5年のとき、「パパ・サヴァイバル」(毎日系)でドラマデビューした。その後「木曜の怪談 怪奇倶楽部」(関西系)などのドラマに多数出演。舞台や映画にも幅を広げ、演技派の子役として人気を集めた。
成城大学進学後の平成16年、舞台「GOOD」出演を最後に2年間、休業。映画「子宮の記憶/ここにあなたがいる」(平成19年)で復帰した。今後も舞台「鳥瞰図−ちょうかんず−」(20年6月)や映画「山のあなた 徳市の恋」(20年公開予定)への出演が決まっている。
また、公式ブログ「nomulabo」を7月から開設。仕事や趣味、おしゃれなどさまざまな話題も発信中。

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