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古今の要素巧みに構成
舞台「異人の唄」 土居裕子と純名りさが姉妹で歌姫
2007/11/13 産経新聞  東京朝刊
抜群の歌唱力を誇る女優の土居裕子と純名りさが14日から始まる新国立劇場「異人の唄」で姉妹の歌姫を演じる。ソポクレス「アンティゴネ」をもとに漫画家の土田世紀が脚本を作り、鐘下辰男が演出する話題作。開場10周年記念3部作「三つの悲劇−ギリシャから」のラストを飾る。

純名りさ(左)と土屋裕子
純名りさ(左)と土屋裕子

北海道の漁村で元旅芸人の叔父(すまけい)と暮らす姉妹。大漁を招いた伝説の歌姫の長女のアンを土居、二女のメイを純名が演じ、ギリシャ悲劇のオイディプスの娘、アンティゴネ、イスメネと重なる存在として設定されている。

物語は、レコード歌手になるために妹が村を抜け出そうとしたことから姉と対立し、謎の死を遂げた母親の秘密が明らかになる。

「よくいえば3人姉妹のオリガで、もっと心情的にドロドロしている。自分を抑えて何もしない姉だが、無垢な妹を守ることを考えている」と土居。一方の純名は「姉さんの問題点を提起する存在で一族のタブーを犯していく。正しいと思うことに突き進んでいくタイプ」という。性格的に違う姉妹の設定だが、叔父に封印された唄声を継ぐ宿命は同じ。

「同じ月を見ている」で知られる土田は戯曲初挑戦。旅芸人、戦争、漂着死体、唄声、認知症などの古今の要素を組み合わせて、魅力的な世界を巧みに構成している。コンビを組む鐘下が土居や純名らを使い、どう芝居に組み立てていくのかが見どころとなる。

音楽座、東宝の舞台で活躍した土居と宝塚退団後は幅広い活動を続ける純名の2人は、純名が土居の公演に通い、楽屋を訪ねるほどの仲。2人が唄う夢のデュエット曲は「どこで唄うのか心配していたら、最後の最後に出てきます」と純名。「幻の唄は、グレゴリオ聖歌風かと思えば、別のイメージにも聞こえる。お楽しみです」と土居は話している。

12月2日まで、東京・初台の同中劇場。ほかに木場勝己、小林十市らが出演。問い合わせは(電)03・5352・9999。

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