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博多港ではトラブルも
外国人の新入国審査 生体認証始まる
2007/11/20 産経新聞  大阪夕刊
16歳以上の外国人を対象に、入国審査で指紋と顔写真の提供を義務付ける改正入管難民法が20日施行され、全国の27空港と126の港で運用が始まった。入国時に「生体情報」を採取するシステムの導入は米国に次いで2番目。一部の入管では、指紋読み取り失敗など装置のトラブルもあった。

20日からスタートした生体認証による入国審査=午前9時36分、関西空港
20日からスタートした生体認証による入国審査=午前9時36分、関西空港

この日入国の外国人は、パスポートや出入国記録カードを提出した後、入国審査官の案内で両手の人さし指をスキャナーに当て、顔写真を撮影。採取された生体情報は、過去に強制退去処分を受けた外国人のほか、国際刑事警察機構(ICPO)や日本の警察による指名手配者など、計80万〜90万件の生体情報データベースとその場で照合される。

政府はテロ対策を理由に掲げているが、日弁連などからは「犯罪捜査に際限なく利用される恐れがある」として見直しを求める声もある。

関西空港ではノートパソコンほどの大きさの「バイオユニット」と呼ばれる機器を入国審査の全ブースに38台導入。次々と入力される指紋と顔の画像データを入国係官がパスポートの情報と照合した。提供を拒むと、「別室で口頭審理を経て警察に通報されるなどの処分を受けることがある」という。

関空では大きなトラブルはなかったものの、顔写真の撮影で、背の高さから指定した画面の枠に入りきらず何度もエラーブザーを鳴らす外国人の姿もあった。

大学の同級生と関西を中心に卒業旅行するというスイス在住のマーティン・シュミットペーターさん(30)は「指紋と顔写真をとられるのはかまわないが、日本で保存される期間が示されていないのには納得がいかない。世界で同様のシステムが広まると旅行しにくくなる」。グアムから来た米国のトム・ヘリングさん(52)は「良いシステムだと思う。少なくとも偽造パスポートのチェックには有効だ」と理解を示していた。

一方、博多港では約30人の指紋読み取りでエラーが発生し、やり直しの末4人は記録を断念。入国審査官の判断で入国を許可した。入管担当者は「高齢者が多く、指紋がすり減っていたようだ」と話し、装置に問題はないとしている。

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改正入管難民法
2001(平成13)年の米中枢同時テロをきっかけに政府が策定した「テロの未然防止に関する行動計画」(16年12月)に基づき、昨年5月に成立した。入国する外国人への指紋、顔写真の提供義務付けが柱。在日韓国・朝鮮人ら特別永住者や外交官、国の招待者などは除外される。法相がテロリストと認定した人物を退去させたり、日本に到着する航空機や船舶の乗客乗員名簿を事前に提出させたりする規定も盛り込まれ、既に実施されている。
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