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酪農家の現実、子牛の出産に感慨
ドラマ「牛に願いを」DVD発売 玉山鉄二に聞く
2007/11/20 産経新聞  東京朝刊 by 戸津井康之
北海道で細々と酪農を営む実家を見捨てた青年が、東京の派手な生活の中、いつしか自分を見失っていく−。今年7月から9月まで放送された連続ドラマ「牛に願いを」(計11話、フジ系)は、トレンディー系の俳優が出演するドラマとしては、異色ともいえる硬派な内容だった。過疎化、高齢化問題…。主役を演じた玉山鉄二は、「厳しい地方の現状を描く以上、責任感を持って演じました」と振り返る。

牛の出産シーンでは「演技を忘れて感動した」と話す玉山鉄二
牛の出産シーンでは「演技を忘れて感動した」と話す玉山鉄二

玉山演じる農大生、高志は北海道の酪農家の出身。実家を継ぐことを期待され上京したが、大学へは行かずバイトに精を出す毎日。大学中退も考えていた。だが、授業の一環で実地研修に向かった先は北海道の実家だった…。

長期の北海道ロケでの生活は、ドラマ同様、農大生の研修スケジュールのような慌ただしい日々だったという。「日の出とともに撮影が始まりますから、午前3時に起きて準備したり。でも楽しくてまったく苦ではなかったです」と振り返る。

第1話で放送された牛の出産シーンは、おそらく将来にわたり名場面としてドラマ史上で語り継がれるだろう。

農大生しかいない牛舎で母牛が産気づく。学生たちは大学の教科書を開くが、何もできない。幼いころから牛の出産に接してきた高志は冷静に仲間に指示を出し、無事、子牛は生まれる。

「出産間近の牛がスタンバイし、いつ生まれてもいい状態で僕たちは撮影が始まるのをずっと待ちました」

そしてその日がやってきた。玉山は産気付いた母牛の胎内に腕を入れ、子牛の足を引っ張り出し、ロープをかけて取り上げる役目を果たした。「本当は血を見るのも苦手なんですけどね。でも無心で演じることができた。生まれたときは演技を忘れて感動した」

北海道の酪農家を実際に借りての撮影。地元の人たちと暮らしながら現実の厳しさを目の当たりにした。

「ふだん何気なく僕らが飲んでいる牛乳も、こんな厳しい環境の中から届けられているのかと改めて知らされた思いでした」と感慨深そうに話した。

クールな高志が農業研修を通じ、どう変化していくのか? 後半のドラマチックな展開に日本の農業の未来を感じる。

ドラマのDVDは12月19日、ポニーキャニオンから発売される。

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