MSN産経ニュース SANSPO.COM ZAKZAK iZA! FBi
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | MSN産経ニュース
専門店、湧水スポット人気
利き水で選ぶ 自分にあったミネラルウオーター 
2007/11/23 産経新聞  東京朝刊 by 渋沢和彦
30年前はほとんど飲まれていなかったミネラルウオーター。近年、おいしい水にこだわる人が増えている。コンビニエンスストアやスーパーには、さまざまなミネラルウオーターが並んでいるが、ミネラルウオーター専門店もあり、利き酒ならぬ「利き水」をして、自分に合う水を探す人も出ている。

試飲をすすめるミネラルウオーター専門店「バーミーズ」の羽生則昭さん=東京都北区王子
試飲をすすめるミネラルウオーター専門店「バーミーズ」の羽生則昭さん=東京都北区王子

神奈川県小田原市に住む森順子さん(58)は、35年前ほどから飲料水としてミネラルウオーターを飲んでいる。「水道水独特のにおいがいやで飲めなかった。当時はまだ誰もミネラルウオーターを飲んでいなかったので、『わざわざ水を買うなんて』とびっくりされました」

森さんは災害時の備蓄用も兼ねて、ミネラルウオーターを切らさないよう、2リットルのペットボトルを常時10本ほど家に買い置きしているそうだ。

また、おいしい湧(わ)き水があることを知れば、車で仕入れに行く。近くは市内の湧き水から遠くは山梨など他県まで出かけ、ペットボトルに汲(く)んでくる。「飲み水のほかお茶、コーヒー、炊飯に使っています」

旅行に行った際にもその土地の水を探し、湧き水があれば汲んでくるというこだわりぶりだ。「地方によって味が違うので、おいしい水を探すのが楽しい」という。

最近の水道水は浄水方法が進歩して以前よりもずいぶんおいしくなった。しかし、森さんのようにこだわりをもつ人は年々増え、各地の湧水スポットは休日ともなると多くの人でごったがえしている。

ミネラルウオーターは明治初期から販売されていた。その後、昭和30年代には主にウイスキーの水割り用として一部で使われ、58年に家庭用の商品が登場してから一気に需要が増えた。

日本ミネラルウオーター協会の統計によると、国民1人あたりの年間消費量は61年が0・7リットルだったものが、平成18年には18・4リットルに増加。20年で約26倍となり、いまや家庭の生活必需品といっていい。

ミネラルウオーターは一般的にカルシウムやミネラルが豊富な硬水と、それらが少ない軟水があるが、日本はほとんどが軟水だ。

東京都北区王子に3年前に開店したミネラルウオーター専門店「バーミーズ」。約120種を常備し、日本はもとより、世界各地の見たこともないような水が並ぶ。

店のオーナー、羽生則昭さん(58)は、コンピューターの有名企業のエンジニアで、水とは関係なかったが、「自分でおいしい水が飲みたかった」と、早期退職してこの仕事を始めた。

この店では「利き水」をして買っていく人も多いという。「自分にどんな水が合っているのか、実際に味わってもらっています」。気にいったのがみつかればそれを飲めばいい。

「お年寄りの方が多い土地柄ですから、酒屋さんと同じように宅配しています」と地域密着で営業。その一方で、ホームページを見て、九州や北海道など日本全国から注文があるという。「それだけこだわる人が多くなったということです」

実は羽生さんは会社員時代、毎日のように仲間と酒を飲んでいた。そのため健康診断では、すべての数値が悪かった。それが退職して店を出してからというもの数値は正常に戻ったという。

毎日2リットルの水を飲むという羽生さん。「水はいろんな種類があり、効能が違います。よい水を飲むことが大事です」と話している。

携帯版SUMiRE STYLE スミレモバイル登場




産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
Copyright(C)2007 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.

ここは記事のページです
携帯で読むSUMiRE STYLE