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NHK大河後、初の舞台
ミュージカル「ベガーズ・オペラ」内野聖陽主演
2007/11/30 産経新聞  大阪夕刊 by 平松澄子
内野聖陽主演のヒット・ミュージカル「ベガーズ・オペラ」が来年2月から、大阪を皮切りに再演される。内野はNHK大河ドラマ「風林火山」の主演を終えたあとの最初の舞台。「初演よりセクシーにダイナミックに、久しぶりの舞台でエネルギーを炸裂(さくれつ)させたい」と抱負を語った。

「演じていて充実感のある作品。より精度を高めてのぞみたい」と話す内野聖陽
「演じていて充実感のある作品。より精度を高めてのぞみたい」と話す内野聖陽

ジョン・ゲイ原作の「ベガーズ・オペラ」の初演は1728年のイギリス。世界最古のミュージカルといわれ、ドイツの劇作家、ブレヒトによる「三文オペラ」の原型として広く知られている。腐敗しきっていた18世紀のロンドンの犯罪社会を舞台に、汚職がらみの政治家や上級官吏を、ベガー(こじき)たちが痛烈に皮肉るこの音楽劇は、当時の大衆に喝采(かっさい)をあびてロングランを記録したという。

そんな歴史的な作品を昨年1月、278年ぶりに現代によみがえらせたのは「レ・ミゼラブル」の演出家ジョン・ケアード。東京・日生劇場の舞台と客席を一体化させ、ベガーに扮(ふん)した俳優たちが客席を走り回るというユニークでエネルギッシュな作品に仕立てた初演は、即日完売の人気だった。

進行役も務める詩人のトム(橋本さとし)が書いた筋書きで、ベガーが一夜限りの劇中劇を繰り広げる重層的な設定。“内野ベガー”演じる女とギャンブルに目がない盗賊の頭、マクヒースは、盗品売買の元締めの娘ポリー(笹本玲奈)、悪徳看守の娘ルーシー(島田歌穂)との三角関係、監獄や娼館での騒動の果てに絞首刑になるが…。

「200年以上も前の作品とは思えない人間ドラマ。社会風刺もきいていて、全く古さは感じませんね。ぜひ再演したいと願っていた」と内野。ケアード演出は「レ・ミゼラブル」のジャベール役に次ぎ2度目だが、「彼はそれぞれの役に人生を持たせて描くから役が深まってゆく楽しさが味わえる」という。

「ぼくは演じるベガーに“マッコリ”という名前を付けて、シャイな気の小さい男と設定。そんな彼が、破天荒な悪漢マクヒースを演じる落差がおもしろい。舞台装置も魅力的だし、客席にもいろんなイタズラが満載で、遊園地みたいなワクワクする空間になっている。楽曲は全体で61曲もあるけれど、ミュージカルのジャンルではくくれない過激でアナーキーな芝居。ベガーになりきって楽しんじゃうって感じですね」と説明した。

1年間ドラマ出演したことについては、「1人の役(山本勘助)をこれだけ長くできることはないし、いろんな俳優さんと出会えたことも大きかった。そんな経験がまた舞台で、何か変わったと思えるかも」と自身も期待しているそうだ。

大阪公演は梅田芸術劇場メインホールで来年2月6〜26日(問い合わせは同大阪公演事務局TEL06・6233・8880)。東京公演は日生劇場で来年3月5〜30日。

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