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異国のストレス、エンジニアの過労…
企業のメンタルヘルス 支援ビジネスに広がり
2007/10/09  東京朝刊
企業のメンタルヘルス対策を支援するビジネスが広がっている。慣れない海外駐在や慢性的な長時間労働など構造的な問題を分析し、顧客企業に合う改善方法を仕立てて提供するサービスも出てきた。昨春の労働安全衛生法改正で、メンタルヘルス対策に力を入れる企業が増加。専門家の助言を取り入れた鬱など心の病の早期発見への取り組みが本格化している。

精神科医など約30人の専門スタッフで構成するMD・ネット(東京)は、海外駐在員向けメンタルヘルスの支援事業を展開している。城北公園クリニック(静岡市)の院長で、MD・ネットの社長である佐野秀典氏によると、「最近は中国への駐在員が、心の病にかかるケースが急増している」と警告する。

急速な経済発展に伴う事業拡大で本社から業績アップの圧力を受けて悩むケースや、法律や規制が突然変わる中国特有の事情からくるストレスに苦しむ駐在員も多い。佐野社長は「チャイナシンドローム」と呼び、医師と駐在員、日本の本社スタッフが連携した心のケアを提供している。

ソフトウエア開発のアメニティコーポレーション(横浜市)は、コンピューターのプログラミングなどを行うシステムエンジニアの悩みの解決に取り組む。鷲沢官(つかさ)社長は「慢性的な人手不足で長時間労働を強いられたり、納期厳守のプレッシャーに追いつめられるシステムエンジニアが多い」と分析する。

社内では、管理職の承認を受けなければ残業できないよう就業規則を定めたり、社員全員に心理テストやカウンセリングを受けてもらうなど改革を実施。蓄積した職場環境改善のノウハウを、業界に蔓延(まんえん)する環境改善のため、他社にも提供するビジネスを展開する。

専門医によると、鬱などの心の病は早期の発見・対応が重要だが、海外駐在員やシステムエンジニアなどエリート社員ほど、自分の心の病を認めたくないという意識が強いという。

MD・ネットの佐野社長は「熟練した専門医やカウンセラーでないと、優秀な社員らの病の兆候を見つけるのは難しい」とし、メンタルヘルスの専門的な人材育成が急務であると訴えている。

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