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揺るがぬ「2強」 メーカー値上げ 規模で対抗
セブン&アイ、イオン 利益は不振 売上高は過去最高
2007/10/12 産経新聞  東京朝刊
大手スーパー2社の平成19年8月中間連結決算が11日、出そろった。夏場は天候不順で衣料品などの販売が伸びず、営業利益は振るわなかったが、連結対象社の拡大などで売上高はともに過去最高を更新した。

営業利益を見ると、イトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスは、リストラ効果が出たものの前年同期比1・3%増の1439億円と微増にとどまった。専門店の不振が響いたイオンは、17・7%減の677億円と、中間期としては4年ぶりに減益となった。

セブン&アイは、新たに連結対象となったスーパーのヨークベニマルが収益に貢献した。

イオンは、郊外のショッピングセンター事業が引き続き好調だったが、連結対象の米婦人服販売タルボットの業績悪化が響いた。

食品の値上げが相次ぎ、消費を取り巻く状況が悪化しているが、セブン&アイ・ホールディングスとイオンは、大量仕入れによる価格交渉力を武器に定番商品の値下げや据え置きを続ける構えを崩していない。業界再編を主導してきた両社だけに、改めて規模のメリットを見せ付けている。

「できるだけ価格は据え置いて企業努力の中でやる。お客さまの納得が重要」

11日の決算発表会見で、セブン&アイの村田紀敏社長はメーカーの値上げを安易に受け入れない姿勢を強調した。

値上げを店頭価格に反映しないのには、消費についての厳しい認識がある。セブン−イレブンの国内コンビニ事業は既存店売上高が1・7%減。客数は増加したが、客単価が減少しており、村田社長は「お客さまに節約志向がある」と指摘する。

イオンも8月から、生活用品など一流メーカーの約100品目を通常より安い価格で販売している。

都内で開催中のアジア太平洋小売業者大会で講演したイオンの岡田元也社長は「日本は製造業の流通支配で物価の高い国になった。流通業の社会的任務は流通コストを削減して消費者のメリットを守ること」と訴えた。

両社の据え置きや値引きが可能な背景には、売上高5兆円を超える企業規模がある。大量仕入れによる価格交渉や物流コストの削減で強みを発揮。今決算でもセブン&アイは商品の共同仕入れなどグループの相乗効果で、約70億円のコスト削減につなげた。2社ともメーカーより安く、利益率の高いプライベートブランド商品の開発に力を入れる。

ただ、他の小売り各社は厳しい状況だ。中小スーパーは特売を減らすなどして対応してきたが、「値上げは時間の問題」(スーパー幹部)。コンビニエンスストアもローソンが店頭価格に反映させる方針を打ち出した。

「原料価格の値上がりはこれまでにないインパクト。いつまでも価格を据え置けるとは思えない」(大手コンビニ)との声も聞かれ始めた。値下げが食品メーカーの疲弊につながる可能性もあり、今後の2強の対応が注目される。

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