前川知大作・演出「抜け穴の会議室」
時空超える2人芝居 佐々木蔵之介×仲村トオル
2007/10/26 産経新聞
大阪夕刊 by 平松澄子
俳優の佐々木蔵之介による演劇ユニット「Team申」が、第2回公演「抜け穴の会議室」を11月〜12月に東京や京都など全国4カ所で行う。今回は作・演出を劇団「イキウメ」に活動拠点を置く新進の前川知大が担当。共演は仲村トオルで、因縁深い間柄の2人芝居が、時空を超えて展開する。
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時空超える2人芝居 佐々木蔵之介×仲村トオル |
「Team申」の第1回公演は昨年6月の「時には父のない子のように」。ささいなきっかけで始めたそうだが、「手作りのゴツゴツした芝居を、小さな空間でやって、役者もお客さんも緊密な関係になるのがおもしろかった。最初は1回のつもりだったが、リクエストをいただいて。自分の希望も通るようにもなったし、2回目をやることにしたんです」と佐々木。
前川作品は代表作の「散歩する侵略者」などを見て、「SFを演劇で見せる、スタイリッシュでかっこいい、ぼくの好きな芝居。一緒にやりたいと思った」。仲村に関しては「ハードボイルドな感じだけれど、おもしろいことを真剣に遊んでくれそう」と、ほとんど“ひらめき”で声をかけたという。
仲村は映画でデビューして以来、映像を中心に活動しているが、平成16年に初舞台を経験し今回が5作目。「2人芝居は初めてで、プロットとセリフのやりとりがおもしろかった。ぼくも前川くんの芝居は大好き。舞台で新しい作家と出合うことにより、これまでにない自分を楽しみたい」と話す。
前川も2人芝居の脚本を手がけるのは初めて。「特別な関係を築く必要があるので難しい。今回のテーマは輪廻(りんね)で、基本は会話劇。装置の会議室とは、死んだ魂が生まれ変わるまでの時間を過ごす場所。因縁の深いAとBの2人が、何度も生まれ変わり、いくつかの関係の人間を演じることで、過去から未来へと世界を広げていく話」と説明した。
佐々木はテレビなどでも活躍著しいが、「舞台はいつも、自分の身体能力を試されるみたいでこわい。ただ前回も今回も、男3人の同志的関係で、舞台を集中して作っている感じが気持ちいいんですよね。先のことは考えず、今は舞台に集中して楽しみたい」そうだ。
関西では京都府立文化芸術会館で、12月6〜9日に全7公演を行う。問い合わせはキョードーチケットセンターTEL06・6233・8888。
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