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市場調査の場としても活躍
ママも楽しい 遊び場併設された「親子カフェ」 
  東京朝刊 by 村島有紀
子供の遊び場が併設された飲食店「親子カフェ」が、小さな子供を連れて気兼ねなく飲食ができると好評だ。小さな子供を連れた主婦の意見を聞くマーケティング場としても利用され、企業のビジネスチャンスの場にもなっている。

パソコンを借りインターネットもできる飲食スペース=東京都大田区のスキップキッズ雪谷店
パソコンを借りインターネットもできる飲食スペース=東京都大田区のスキップキッズ雪谷店


ドアを開けると、ボールプールで遊ぶ子供たちのにぎやかな歓声が飛び込んできた。東京都大田区にある親子カフェ「スキップキッズ雪谷店」。未就学児を持つ親子連れを対象に、昨年8月にオープンし、予約なしでは入店できないほどの人気ぶりだ。

広さ約200平方メートル。3分の1がボールプールや滑り台などの遊具施設で、保育士などの資格を持つスタッフ2、3人が常駐し、危険な遊びやケンカをしていないかと、目配りする。利用料は1時間250円で、以後30分ごとに100円というシステムだ。

保護者たちは60席の飲食スペースで、パスタやピザなどイタリア料理、コーヒーやビール、ワインなどを楽しむ。

育児本や雑誌、パソコンの貸し出しも行っており、同店によると、平均滞在時間は1組当たり約2時間、客単価平均は2200円で、パーティー利用も多いという。

2歳と4歳の女の子を連れた高瀬由香さんは「10回くらい来ました。外が暑いときや寒いとき、お母さん同士でゆっくり話したいときに利用します」。生後8カ月の男の子を連れた辻敦子さんは「東京の家は狭いので、広いところに来ると気分転換になる」と、児童館で知り合った友人らと月2回のペースで訪れる。

スキップキッズ代表の藤代聡さんは、リクルート・フロムエーで猛烈サラリーマンとして働き、同社の独立支援制度を活用して平成15年に退社。周囲からは「少子高齢化の時代に子供のビジネスなんてはやらない」と反対されたが、自身も3児の父親で「子供を連れて、適度な値段で満足して遊べるところがない。子供も親も、ともに楽しい場所があればビジネスになる」と、1号店(東京都江戸川区)を16年6月に開店させた。

開店2週目から連日満席になるなど反響は大きく、資本金300万円で始めた有限会社は、2年半で資生堂などが出資する1億3200万円の株式会社に成長。現在、東京と千葉に7店舗を構える。今後は、フランチャイズ化も進めていく。

同店のもう一つの特徴は、企業のマーケティングの場として店内を提供していることだ。マジックミラーになった部屋があり、企業は、忌憚(きたん)のない主婦の意見を聞ける。これまでに、ベビー用品やカメラメーカー、生命保険会社など84社が利用。先月23、24日に行われたハンドソープのグループインタビューでは2時間のインタビューで7000円の謝礼が支払われ、主婦にとっても悪くないアルバイトとなっている。

藤代さんは「リクルートにいたとき、新商品の開発に携わったが、高校生や大学生、サラリーマンのモニターはすぐに集まるのに、主婦は集まりにくかった。急な病気でキャンセルもあるし、都心にあるモニタールームまでは、出歩けない。住宅や保険など、子供ができて初めて真剣に関心をもつ分野は多く、小さな子供を持つ主婦の声を商品づくりに生かしてもらいたい」と話している。

新規参入も盛ん
スキップキッズが3年前に開店した後、同様の形態の新規参入が相次いでいる。有機栽培米やオムライスなど食事のメニューを充実させた「キッズ・パーラー」は2年前の3月に東京都練馬区に開店、現在4店舗を構える。こちらも、マーケティング、実演販売、サンプリングを行う企業の参加を呼びかけており、今後は「30万都市に一店舗の割合で、増やしていきたい」(糟谷真理子副社長)としている。

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