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熱く秋の陣 顧客獲得へ躍起
緑茶商戦、高級感と京都の老舗…
  東京朝刊
ペットボトル入り緑茶飲料の商戦が騒がしくなってきた。メーカー各社は9月以降、「プレミアム(高級感)」「京都の老舗と共同開発」を前面に出した新製品を、相次ぎ発売する計画だ。緑茶飲料の市場規模は近年頭打ちの状態。新商品の提案で需要を掘り起こし、移り気な消費者を引き留めつつ、他社からも顧客を奪おうと、各社とも躍起となっている。

プレミアム市場
「ノンアルコール飲料分野で主導権を握る」−。

日本コカ・コーラのダニエル・セイヤー社長は先月28日、「綾鷹(あやたか)上煎茶(せんちや)」の発表の席で、強い意気込みを見せた。

緑茶飲料では「一(はじめ)」を持つ同社も、シェアでは伊藤園、サントリーに水をあけられている。そこで今秋、10円高めの新製品投入により、「ビールと同様、緑茶でもプレミアム市場を創出し、シェアを拡大したい」とねらう。

商品には自信を示す。将軍家に上納するなど、創業450年の京都・宇治の茶舗「上林春松本店(かんばやししゅんしょうほんてん)」と約2年かけ、共同開発した。当初、茶舗側は依頼に難色を示したが「プレミアムという開発方針に賛同した。納得いく味に仕上がった」(上林秀敏・上林春松本店代表取締役)とか。

味はにごりを含み、急須で入れたお茶を再現。425ミリリットルペットボトルは上質な茶筒を連想させる「切り子ボトル」を採用した。今月24日以降、企業向け中心に100万本の試供品頒布を実施し、発売前から顧客の取り込みを図る戦略だ。

老舗との共同開発
JTの新製品「辻利(つじり)」も、万延(まんえん)元(1860)年以来、創業150年の京都・宇治の老舗「辻利一本店(つじりいちほんてん)」と約2年かけて共同開発したものだ。

「缶コーヒーに続き、緑茶を第2の柱に育てたい」(岩井睦雄・常務執行役員)との期待は強い。味は老舗側が「自画自賛するほど」(辻俊宏・辻利一本店社長)の出来に仕上がったという。

飲料各社が京都の老舗茶舗との共同開発に走るのは、3年前にサントリーが京都の老舗「福寿園(ふくじゅえん)」と共同開発した「伊右衛門(いえもん)」の成功に刺激されたため。

緑茶のヒット商品に恵まれなかった同社は伊右衛門発売2年目(平成17年)で、最大手の伊藤園に次ぐ2位に急浮上。「お茶のうまみ、さっぱり感を両立できた」(サントリー)。秋は同シリーズの「焙じ茶」を限定発売し、4%増の販売を計画しているという。

プレミアムも続々
京都の老舗に限らず、「プレミアム(高級感)」路線は花盛りだ。

シェア3割強を持つ最大手の伊藤園は今月下旬、「プレミアムお〜いお茶」を発売する。「うまみ成分を多く含む国産の一番茶を100%使った」のが特徴。キリンビバレッジも18日から、「生茶」ブランドのプレミアム版として、品質にこだわった「玉露100%」を発売する予定だ。

緑茶市場は頭打ち傾向にあり、昨年は「前年比2%強落ち込んだ」(アサヒ飲料)という。ただ、各社とも「消費者は緑茶に飽きたのでなく、話題性がある新ブランドの登場を待っているはず」(JT)と分析。おいしさを追求した新ブランドで巻き返しを図る。

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