ロボットと暮らす時代が、すぐそこまで来ているかもしれない−。大阪市西区の「ロボカフェ」では、そんな近未来感覚を味わえる。本格的な二足歩行ロボットからロボットをモチーフにしたおもちゃ、書籍、携帯ストラップまで約500点を展示・販売している。
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レトロモダンな外観が特徴のロボビル。店の前に立つロボットは片手を挙げて、街行く人をロボカフェに出迎える=大阪市西区江戸堀 |
ロボカフェは平成17年10月、レトロモダンな石造りの外観が特徴のビル1階でオープン。大正末期〜昭和初期の建築とされ、地上4階地下1階。戦前は雑居ビルとしてレストランや美容院が入居していたが、現在はロボット関連のベンチャー企業5社が入り、「ロボビル」と呼ばれている。
店内に入ると、まず目を引くのが、漫画家・手塚治虫が生み出した「鉄腕アトム」の人形。台上で眠る姿は、ロボット時代の幕開けを待っているかのようだ。
人気の商品は、アザラシ型の癒やし系ロボット「パロ」(35万円)や遠隔操作で留守宅の様子を確認できる留守番ロボット「ロボリア」(29万4000円)など。1000円程度で買えるロボットの工作キットや、電子部品を組み合わせたロボット型携帯ストラップシリーズ「MASSANOVA ART(マサノバ・アート)」(2000円前後)も評判が良い。
他にも、本格的な二足歩行ロボットから機械仕掛けのブリキのおもちゃ、ハリウッド映画「ロボコップ」のDVD、漫画「ドラえもん」まで、扱う商品は幅広く、1時間以上眺め続けるお客さんが少なくない。
開店当初のターゲットは、「鉄腕アトム」や「鉄人28号」「マジンガーZ」「機動戦士ガンダム」などをテレビで見て育った世代だったが、実際の客層は老若男女を問わず、幅広い。
名古屋や岡山から訪れる人、週末に家族連れで遊ぶ人、仕組みに興味をひかれ、質問を重ねる技術系のサラリーマン…。「最新の日本文化を知りたい」と海外の旅行客も多いという。
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鉄腕アトムの人形などロボットをモチーフにしたさまざまな商品が展示された店内。近未来感覚が味わえると評判だ |
運営会社「ジャイロウォーク」広報の別所利一さん(37)は「予想以上にお客さんの幅が広く、ロボットに対する関心やあこがれは、世代や国境を超えて、みんなが持っていると分かった」と話す。
別所さんらが目指す理想の店は、子供からロボット開発の専門家や技術者まで、ロボットに関心を持つありとあらゆる人が自由に交流し、これまで誰も気づいていなかったロボットの価値や存在意義を見いだす場所を提供すること。
介護や福祉分野などで将来の拡大が期待されながらも、具体的な展開となると先が見えないロボット市場。ロボカフェに展示されたロボットと遊びながら思いついたあなた自身のアイデアが、ロボットと人が豊かな未来を築いていくヒントになるかもしれない。
ロボカフェ
最先端の技術を駆使した本格派ロボットからおもちゃまでを販売。大阪市西区江戸堀1の23の30、ロボビル1階。営業日は火、水曜日(午後2〜7時)▽金曜日(正午〜午後7時)。臨時休業があり、来店の際は同ビル(TEL06・6444・8808)へ確認を。