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OSKトップスター 桜花昇に聞く
2008/4/5  産経新聞大阪夕刊 by 平松澄子
桜の季節の浪花の街で、桜をシンボルとするOSKに、桜の花を芸名にしたトップが、大輪の花を咲かせる。

桜花昇お披露目公演となる「第5回レビュー春のおどり」の第1部「お祝い道中〜浪花ともあれ桜花爛漫〜」が、日本一の桜を見に行こうと、江戸から浪花までを旅する趣向の日本物レビューとあっては、まさに桜づくしの晴れ舞台だ。

「芸名はインスピレーションでつけたんですが、これほど桜とご縁があるとは、ホントにありがたいことです。1部はおもしろい“落ち”があるので楽しみにしていてくださいね」。背筋をピンとのばして、ひと言ひと言かみしめるように、きまじめに話す。

第2部「DreamStep!」は、新しい旅立ちをイメージする洋物レビュー。「とても情熱的でスピード感のある仕上がりです。歌の歌詞が私の今の心境にぴったりに書いていただいているので、気持ちをダイレクトにお届けできたらいいなと思います」

開幕前には、地元の商店街やマスコミへのあいさつまわりなども律義にこなした。「“がんばって!”と声をかけていただいて、ホントに人がみな、温かく感じました」

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子供のころから地元のあやめ池遊園地で遊び、舞台好きな母親から、慣れ親しんだOSKへの入団を勧められたという。

「0歳の私が母にだっこされて、あやめ池円型大劇場の前で写っている写真もあります。松田聖子さんのファンで、芸能界にあこがれていたんです。アイドル歌手志望だったんですけど、身長がみるみる大きくなって」

初舞台は平成5年のあやめ池春季公演「ファンタジアランド」。170センチの長身と華やかな容姿で、順調にスター街道を歩んでいたが、15年3月に劇団が解散。再出発したNewOSK日本歌劇団では、2番手スターとして存在感を増し、昨年8月にトップに就任。しかし直後の同年9月、劇団はまた新たなイベント会社に事業譲渡された。

「紆余(うよ)曲折ありました。劇団解散のとき、私は入団10年目。周りには“かわいそうだね”といわれたけれど、とりあえず続けてみようと。大阪松竹座の舞台に初めて立ったときは、楽屋入りからトリ肌が立つほど感激して、舞台に立てる幸せを実感しました」

“激震”を経験しても、常に前向きに受け止める姿勢はじつにけなげ。彼女自身の立場を考えると、逆に、しだいに世界が広がっている感じもある。

「私は不器用なので、何事にも余裕がなく、必死で突っ走ってきました。でも、それだけではいけない、と気づいたのは1年ほど前から。まだまだ自分は狭い。芸は人となり。人間関係を大事にしながら、芸に精進して、人間性を磨いていきたい。歌劇は美しさが一番ですが、もっとざっくばらんで自由に表現できる男役ができないか、より親しみやすい歌劇をめざしたいと、模索中です」

座右の銘を聞くと、「まだ探している段階ですが、今は“一期一会”と“愛心”が心にとまっています」

プロフィル桜花昇 おうか・のぼる 奈良・斑鳩町出身。高校卒業後、日本歌劇学校(第66期生)を経て、平成5年OSK日本歌劇団入団。初主演は9年のあやめ池春季公演「ヘンゼルとグレーテル」。14年の近鉄小劇場公演「恋はシャッフル!」でも主演をつとめた。 15年3月、親会社の資金援助が打ち切られて、85年の歴史を持つ同劇団が解散。NewOSK時代は17年に、「わが歌ブギウギ」で初めて外部出演も経験した。19年4月にトップの大貴誠が退団したあとをうけて昇格し、同8月に正式にトップ就任。同11月に京都・南座では52年ぶりになる公演「源氏千年夢絵巻」に主演した。しかし、劇団は再び経営危機に陥り、「ワンズ・カンパニー」に事業譲渡。今年4月の「第5回春のおどり」からが、また新たなスタートとなる。

大阪松竹座で上演する「第5回春のおどり」は4月18〜26日。問い合わせはチケットホン松竹(電)0570・000・489。

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