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後片付けまで環境考慮
エコ・クッキングで生活スタイル見直しにも
2008/4/10  産経新聞東京朝刊 by 村島有紀
毎日の食事について、味や栄養バランス、見た目だけではなく、買い物から調理や後片付けの工夫に至るまで、使用するエネルギーや環境負荷を考えながら行う「エコ・クッキング」が人気を集めている。水やガス、電気の使い方を改めることができ、生活スタイル全般の見直しも期待できそうだ。東京ガスのチーフエコ・インストラクター、三神彩子さんに、エコ・クッキングの勧めを聞いた。

エコ・クッキング講座では、環境に配慮した買い物、調理、後片付けの工夫を習う(東京ガス提供)
エコ・クッキング講座では、環境に配慮した買い物、調理、後片付けの工夫を習う(東京ガス提供)


買い過ぎを防ぐ
エコ・クッキングは東京ガスが提唱した考え方で、平成7年から料理教室や小中高校への出張授業などで普及を図っている。一昨年から講師の養成事業を始めたところ、1期目36人、2期目72人、3期目144人と、いずれも定員を上回る人気ぶり。三神さんは「当初は、エコというとエコノミーや節約料理と勘違いされる方が多かったのですが、今ではずいぶんと定着しました」という。

エコ・クッキングの実践はまず買い物から始まる。ポイントは(1)買い過ぎを防ぐため、事前に家の冷蔵庫の中身をチェックしておく(2)調味料は小瓶で保存する(3)旬の物、なるべく(輸送コストが安い)近くでとれた食材を選ぶ−など。

社団法人資源境界の調査によると、夏野菜のトマトを冬に食べるために温室栽培すると、通常の10倍のエネルギーが必要となる。また、料理で出るごみのうち、大きさでみると全体の6割は食品トレー。できるだけトレーを使っていない商品を購入することは大切だ。
CO2減らす工夫
次に調理。野菜は水を張ったボウルやおけで汚れの少ない順に洗う。最後は流水ですすぐが、流しっぱなしで洗うよりも水を約7割節約できるという。湯をわかしたり煮物を作ったりする際は、鍋にふたをすることで約2割、落としぶたをすることで約5割の省エネになる。また、無農薬や低農薬などで栽培された食材を買えば皮までも無駄なく使え、生ごみを減らせる。

では、調理の仕方で二酸化炭素(CO2)の排出量は、どう変わるのか。東京ガスと東京家政大学は今年1月、チャーハンを作る際に(1)生卵とご飯を別々にいためる(2)卵を半熟までいためてからご飯をいためる(3)生卵とご飯を合わせてからいためる−という実験を実施。その結果、(3)は(1)に比べて排出量が25・16%少なかった。また、ホウレンソウ100グラムをゆでる場合は、800ミリリットルの湯よりも300ミリリットルの湯でゆでた方が排出量は約3割少なかった。

「味覚実験もしたところ、800ミリリットルと300ミリリットルで差はありませんでした。味を落とさず、環境負荷をかけずに料理する工夫はまだたくさんあります」と三神さんは話す。

汚れふき取ってから
東京ガスの料理教室では水の使用量を量っているが、その際にグループによっては3倍の差が出ることがある。特に後片付け。水を無駄にしない後片づけのコツは(1)皿を重ねない(2)汚れはふき取ってから、洗いおけに水をためて洗う−など。汚れた水を下水に流すと、その分処理に時間がかかり大量の水を必要とすることから、できるだけ汚れを流さないようにしたい。

三神さんは「生活の中でエコを意識し始めると、生活がだんだんシンプルになってきます。調理時間も自然と短縮されますから、時間の有効利用にもつながりますよ」と話していた。

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一般向けのエコ・クッキング講座は、次回は6月に開催される。問い合わせは東京ガスエコ・クッキング事務局(電)03・4455・2161。

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