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ワクチン効果減衰で成人4割
ご注意 百日ぜき 12年以降最多 3カ月で851人
2008/4/17  産経新聞東京朝刊
しつこいせきが続く「百日ぜき」の患者報告が増えており、今年1〜3月の累計は、比較が可能な平成12年以降で最多となったことが、国立感染症研究所のまとめで分かった。特に成人患者の増加が目立ち、全体の4割近くを占めた。専門家は乳幼児期に受けたワクチンの効果が減衰したためではないかとみている。

グラフ

成人は典型的な発作症状がなく、見逃される例も多いとされる。感染研は「放っておくと感染を拡大させるため、激しく治りにくいせきなどの症状が出たら早く受診を」と呼び掛けている。

3月30日までの約3カ月間に、全国約3000カ所の小児科から報告された患者数は計851人。この規模の調査が定着した12年以降、最多だった同年の同じ時期までの累計(計689人)を上回った。都道府県別では、千葉150人▽福岡70人▽大阪69人▽広島58人▽愛知56人−など、大都市圏で多い。

20歳以上の患者の率は12年は2・2%だったが年々増加し、今年は36・5%を占めた。しかし、報告医療機関は小児科だけのため、成人患者の割合は実際にはもっと多いとみられる。

昨年は香川大や大阪府立大、高知大などで百日ぜきの集団感染が起き、休講などの措置が取られた。

感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官は「(例年の傾向から)百日ぜきはこれからの時期、さらに患者が増えると予想される。大人が実際どれくらい感染しているか現在の調査では正確には分からず、患者の全体像を把握できる新たな調査が必要だ」と指摘している。

百日ぜき
百日ぜき菌による感染症。感染力が強く患者のせきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)感染や接触感染で広がる。風邪のような症状で始まるが、その後せきの回数が増え、短いせきが連続的に起こり、息を吸うときに笛のような「ヒュー」という音が出る特徴的な発作がみられる。治るまでは通常2、3カ月かかる。成人の場合、せきが長引くが特徴的な発作はみられない。治療には「マクロライド系」と呼ばれる抗菌薬が有効。

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