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シングル「旅の途中で」 アルバム「PENDULUM」
石井竜也 新作を語る
2008/4/24  産経新聞大阪夕刊 by 池田祥子
音楽だけにとどまらず、映画、イベント、デザイン…と幅広く創作活動を繰り広げるアーティスト、石井竜也。シングル「旅の途中で」とアルバム「PENDULUM」を相次いでリリースし、25日には大阪国際会議場でコンサートを開く。石井は「完成度が高く、楽しんでもらえるはず」と話す。

新しい2作品は、23年の芸能生活を重ねてきた石井の思いがこもった作品。「振り子」の意味をもつアルバムは「懺悔(ざんげ)のような歌詞が多く、失敗談を17曲集めたような感じ。でも誰でも1度は経験するんじゃないかなと思って…」と笑う。

「くさい話になるけど、人生観を感じる一枚にしたかった」というシングル「旅の途中で」は、力強く、男っぽく歌い上げる。「僕を支持してくれるファンや関係者に、何か助けになる歌を出したかった」。春を迎え、生活が変わったり、壁に直面した人に「まだ途中段階だから、もっと柔軟に生きよう」とのメッセージを込めた。

昭和60年に米米CLUBのカールスモーキー石井としてデビューし、ヒット曲を連発してきた。しかし、エキセントリックでコミカルなカールスモーキーは「演じていた」もので、「奇抜な行動で知名度を上げる策略だった」という。

そのため、米米解散後にソロ活動を始めて3年ほどは悩んだ。「ソロで真面目にやろうとするほど、カールスモーキー像を求められた」からだ。しかし、5年目くらいから本来のアーティスト精神を発揮し始めた。「自分が本当にやりたいことをやっている方が大事なような気がして」

最近では、ダルマに粘土をつけて創作する、独創的なダルマオブジェ展を開いた。映像にもまた挑戦したい。創作意欲がどんどん広がる一方で、2年前には9年ぶりに米米の活動を復活させた。「同窓会のようで楽しい」だけでなく、「ファンの期待だけは裏切りたくない」という責任感も強くもっている。

「冗舌」とみられることもあるが、実は幼いころから引っ込み思案な性格だったという。「でもね、人を巻き込む方法は言葉でしかできない。言葉ってすっごく重要なんだなあと思いますよ」。その言葉には実感がこもっていた。

コンサートは午後7時から。問い合わせはTEL06・7732・8888。

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