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團菊祭五月大歌舞伎
菊五郎“お家芸”弁天小僧菊之助に意欲
2008/4/24  産経新聞東京朝刊 by 生田誠
河竹黙阿弥の代表作で歌舞伎の美と粋が詰まった通し狂言「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」が5月2日から、東京・歌舞伎座の「團菊祭五月大歌舞伎」で上演される。主役の弁天小僧菊之助を務めるのは、初演(1862年)から約150年間、この役を守ってきた音羽屋の当主、七代目尾上菊五郎。「(5年後の)70歳まで続けたい」と意気込んでいる。

「團菊祭五月大歌舞伎」で弁天小僧を演じる尾上菊五郎
「團菊祭五月大歌舞伎」で弁天小僧を演じる尾上菊五郎


歌舞伎座では16年ぶりの通し上演出演だが、菊五郎にとっては、22歳で務めてから「新橋演舞場や明治座、博多座の(新装)オープニングで演じてきた思い出深い役」でもある。

「若いころには、紀尾井町のおじ(尾上松緑)や父(尾上梅幸)らがいて、(遠慮して)小さな鏡でちまちまと顔(化粧)を直していた」と菊五郎。「最近はせがれ(尾上菊之助)に取られていたが、舞台裏に(菊之助の)弁天の声が聞こえてくると『おれはここにいていいのか?』と…。サラリとした青年の悪が出せたらいい」

弁天小僧は、日本駄右衛門(市川團十郎)をはじめとする盗賊団「白浪五人男」のひとりで、女に化けて呉服屋の店先でゆすりをはたらく。

「知らざあ言って聞かせやしょう」と入れ墨を見せるこの浜松屋の場、五人男が勢ぞろいする色彩鮮やかな稲瀬川の場が有名だ。若者たちが悪に染まっていくありさまを描く序幕といい、弁天小僧や日本駄右衛門の末路を描く大詰めといい、時代物と世話物の両要素を含む名作だ。

幕末に五代目菊五郎が初演した役を祖父の六代目菊五郎が継承。その後、父の梅幸から直接に譲られた。

「70歳で浜松屋と稲瀬川をやれたらうれしい。そしたら菊五郎の名前をせがれに譲り、菊之助に戻るのもいいかも」と思いをはせた。

26日まで、夜の部で。問い合わせは(電)03・5565・6000。

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