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広告効果は数億円
不動産会社がロケ地提供 ドラマ人気でイメージアップ
2008/2/21 産経新聞
大阪夕刊
テレビドラマや映画、ＣＭの撮影場所（ロケ地）の提供事業に不動産会社が乗り出している。ロケ地提供といえば従来、自治体などが観光客誘致や地域おこしを目的としたものが多かったが、不動産会社の場合は保有物件のイメージアップなど価値を高めるのも狙いの一つ。昨年、ロケ地提供事業を本格化させたオリックス不動産（東京）などに取材した。
放送が始まった平成１６年４月当時は、販売の最終局面だったのに新規来場者が少なく苦労していた。だがドラマの人気によって物件ホームページへのアクセス数は急増。放送前は新規来場者数は週に１０組程度だったが、放送後は１０倍超に。「広告効果は数億円以上あったのでは。ドラマを見ておしゃれな街並みにあこがれて契約したという声もあった」（関係者）。放送前に売れ残っていた約２００戸は完売。施設使用料は物件の管理組合の収入となった。
オリックス不動産はマンションモデルルーム、ホテル、研修施設など所有、運営する８０超の施設でロケ地提供事業を展開。１番の人気は東京・府中市の企業向け研修施設「クロス・ウェーブ府中」。そこへの制作会社などからの問い合わせは昨年夏以来、約１００件と全体の３分の１を占める。研修施設には壮大な吹き抜けがあり、一流企業のオフィス、大病院として撮影できるのだという。
料金は、ほぼ一律でドラマなど動画撮影は１時間当たり３万円。同社社長室の谷合賢司課長は「ロケ地提供が本業ではないので料金は低めにしている。物件の知名度アップにつながるほか、ロケに使われるような人気のある優良物件を企画しようという意気込みにつながっている」とメリットを説明する。
オリックス不動産の事業提携先で、映画・ドラマなどのロケ地情報誌発行などを手掛ける「地域活性プランニング」（東京）の藤崎慎一社長は「制作会社はロケ地探しに苦労しており双方にメリットがある。こうした取り組みはさらに増えるだろう」と話している。
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| 人気テレビドラマのロケ地となった「マークスプリングス」＝横浜市瀬谷区 |
おしゃれな街
事業化のきっかけは同社が開発したマンションと一戸建て住宅の複合タウン「マークスプリングス」（横浜市瀬谷区）の成功だ。同社はこの物件を映画やドラマなど６０以上にロケ地として提供。中でも、阿部寛さんが専業主夫を演じた人気ドラマ「アットホーム・ダッド」（関西テレビ放送制作）の反響は大きかった。
放送が始まった平成１６年４月当時は、販売の最終局面だったのに新規来場者が少なく苦労していた。だがドラマの人気によって物件ホームページへのアクセス数は急増。放送前は新規来場者数は週に１０組程度だったが、放送後は１０倍超に。「広告効果は数億円以上あったのでは。ドラマを見ておしゃれな街並みにあこがれて契約したという声もあった」（関係者）。放送前に売れ残っていた約２００戸は完売。施設使用料は物件の管理組合の収入となった。
オリックス不動産はマンションモデルルーム、ホテル、研修施設など所有、運営する８０超の施設でロケ地提供事業を展開。１番の人気は東京・府中市の企業向け研修施設「クロス・ウェーブ府中」。そこへの制作会社などからの問い合わせは昨年夏以来、約１００件と全体の３分の１を占める。研修施設には壮大な吹き抜けがあり、一流企業のオフィス、大病院として撮影できるのだという。
料金は、ほぼ一律でドラマなど動画撮影は１時間当たり３万円。同社社長室の谷合賢司課長は「ロケ地提供が本業ではないので料金は低めにしている。物件の知名度アップにつながるほか、ロケに使われるような人気のある優良物件を企画しようという意気込みにつながっている」とメリットを説明する。
業界に広がる動き
近鉄不動産（大阪市）も、同社が開発した大規模ニュータウン「ローレルヒルズ手賀の杜」（千葉県柏市）をドラマなどのロケ地に提供するなど、物件のイメージアップを念頭に置いた動きは業界に広がっている。
オリックス不動産の事業提携先で、映画・ドラマなどのロケ地情報誌発行などを手掛ける「地域活性プランニング」（東京）の藤崎慎一社長は「制作会社はロケ地探しに苦労しており双方にメリットがある。こうした取り組みはさらに増えるだろう」と話している。
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