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伸びる女性の客足 価格帯は3−5万中心
贈るなら高級万年筆 若い世代で人気復活
2008/2/22 産経新聞  東京朝刊 by 渋沢和彦
最近の万年筆売り場では若い女性客が目立つ=東京・銀座のモンブラン銀座本店
落ち着いた高齢男性の持ち物というイメージが強い万年筆。かつては高級万年筆を持つことは男たちのステータスだった。パソコンなどの普及で一時は隅に追いやられていた感もあったが、最近は若い世代にも人気を呼び、進学や就職祝いなどの贈り物として復活している。

2月14日のバレンタインデー。東京・日本橋の「丸善・日本橋店」の万年筆売り場は終日、いつもと違う空気が流れていた。普段は男性客が多い場所に、その日はカップルの来店が目立った。バレンタインのプレゼントに万年筆を求める女性。男性が書き味を試し、納得したものを女性がプレゼント。3万円から5万円の高価なものが売れたという。

万年筆は30〜40年前までは大学入学や就職のお祝いの定番だった。高価な筆記用具を手にすることで大人の仲間入りした気分になったものだ。

万年筆売り場が充実している丸善・日本橋店によると、これまでの購入者は主に高齢男性だったが、この2、3年は20代、30代の男女がよく買っていくという。

とくに10年前は2割程度だった女性客が、2年ほど前からは約4割になったという。プレゼントとして買う人が増え、「入学祝い、就職祝いに買われるお客さんも多くなりました」。

売り場を見ると、万年筆は数千円くらいのものから数百万円もする高価なものまであり、バリエーションも豊富。女性にうけそうなイタリア製のファッショナブルな品もそろっている。

同店で約20年、万年筆販売に携わる山田明治さんは、「最近はプレゼント用に求める人が増えました。また女性が自分自身へのご褒美に買うのも目立ちます。ファッション感覚で持つ人も多いようです」と話す。

映画「クローズド・ノート」で主人公(沢尻エリカ)が愛用していたのがデルタの「ドルチェビータ・ミニ」。イタリア製らしくオレンジ色の細くスタイリッシュな万年筆だった。

昨年秋に映画が公開されてから、5万円以上する「ドルチェビータ」が数多く売れたそうだ。山田さんによると「ファッショナブルなので若い女性は自分への贈り物として買っていかれたようです」。

老舗万年筆メーカー、モンブランは一昨年、東京・銀座に旗艦店がオープンした。この20年間横ばい状態だった売り上げが、この2、3年は増加傾向だという。

高級感あふれる銀座店には、4万円台から300万円を超える限定品がずらりと並ぶ。現在、2万円台の万年筆は製造しておらず、売れ筋は5、6万円台。同店でも「最近はプレゼントに買われる女性客がどっと増えました」と話す。

恋人の誕生日に万年筆を贈ったという神奈川県内の女性会社員(27)は「意外な贈り物だったのか、びっくりされました。食べるものだとなくなってしまいますが、長持ちして、いつまでも使ってもらえるからうれしい」と話していた。

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