MSN産経ニュース SANSPO.COM ZAKZAK iZA! FBi
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | MSN産経ニュース
10代から団塊世代まで
人気呼ぶゲバラ 生誕80年、相次ぐ関連商品
2008/2/28 産経新聞  東京朝刊 by 中島幸恵
キューバ革命の英雄と呼ばれ、1967年に南米ボリビアで銃殺された革命家、チェ・ゲバラが人気を呼んでいる。昨年の没後40年に続き、今年は生誕80年。関連書籍の出版が相次いでいるほか、ゲバラのイラストが描かれたファッショングッズの売れ行きも好調だ。反体制運動に身を投じた団塊世代には懐かしく、闘争を知らない若者はあっけらかんと。ゲバラはイデオロギーを超越した!?

東京・原宿の裏通りにある商業ビル「トーキョー ヒップスターズクラブ」。1階の中央柱に掲げられているのは、ゲバラの大きな肖像画だ。同店では2年前のオープン当初から、ゲバラを店の象徴としている。ゲバラの顔をモチーフにしたiPodケースや財布といった若者に人気のオリジナル商品のほか、写真集や自叙伝など関連書籍も数多く並ぶ。

店を運営するのはアパレル大手「ワールド」。売れ行きは順調だという。それにしても、なぜゲバラなのか。

「若者たちがゲバラを知らずにTシャツなどを着ているのに違和感を覚えたのがきっかけ。単にオシャレのアイテムとしてだけでなく、彼の考え方や行動にも思いをはせてほしい。新しい文化の発信地としたい」(同社広報部)と説明する。

没後40年となった昨年、同店では10月に記念の展覧会を開催。彼が昭和34(1959)年に来日した際、トヨタ本社工場などを視察。農業機械に興味を持ち、実際に田畑で機械を操る貴重な写真のほか、ゆかりの品々、幼少のころから愛読したといわれる詩の一節、演説などを紹介した。いつもは若者であふれる店内だが、この時は50、60代の姿が多かったそうだ。

またゲバラについては、出版ラッシュも目につく。中央公論新社では『ゲバラ日記』の新訳刊行に続き、今月下旬にはキューバ革命に関した著書に生前の本人が大幅に加筆、修正した『革命戦争回顧録』が出版される。さらに演説やインタビューなど2冊の刊行を予定している。

ゲバラに関する書籍を数多く出している原書房でも、昨年夏に発売された写真集が好調。没後40年を記念して刊行されたもので、生前の秘蔵フォト約200枚が収められており、10代後半から20代の購入が目立つという。

同社編集部長の寿田英洋さんは「ゲバラという存在を知らなくとも、イデオロギーに共鳴するより、一種のファッションとしてカッコイイと好まれているようだ」と分析する。

このほか、Jリーグ浦和レッズの応援席には、ゲバラのイラストを描いた旗やTシャツが目立つ。サポーターの一人で、さいたま市在住の男性会社員(47)は「ゲバラを革命や自由の象徴として反骨精神の意味で使っているのかもしれませんが、応援もファッションだということでは」と話す。

一連のブームについて、マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさんは「格差社会が進むと、無力感から社会主義的な思想や反体制のイメージへのあこがれが急速に広がるかもしれない。単なる流行現象ですめばいいのですが」と話していた。

携帯版SUMiRE STYLE スミレモバイル登場




産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
Copyright(C)2008 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.

ここは記事のページです
携帯で読むSUMiRE STYLE