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消費者の業者選び手助け
リフォームマイスター制度 行政が“お墨付き” 
2008/2/29 産経新聞  東京朝刊 by 伐栗恵子
悪質なリフォームが社会問題化する中、信頼性の高い業者を紹介する大阪府の「リフォームマイスター制度」が注目を集めつつある。いわば行政の“お墨付き”という信用力を業者選びの判断材料として示すことで、府民が安心してリフォームを行える環境を整備するのがねらい。「業界の信用アップにつながる」と業者にも好評だ。

悪質業者排除
無料で点検するといいながら(点検商法)、居住者の不安をあおるような文言を並べ立て(不安商法)、不要な契約を次々に結ばせる(次々販売)…。悪質リフォームはいっときに比べて沈静化したものの、まだまだ被害事例は多い。

大阪府の場合、府や市町村の消費生活センターに寄せられた相談件数は平成16年度の2308件をピークに17年度は2099件、18年度は1376件と減少しているが、1件あたりの契約金額は16年度が67・8万円、17年度が101万円、18年度が114万円と対照的に増加。府消費生活センターは「手口が悪質化している」と指摘する。

一方で、高齢化や災害などに備えてリフォームの需要は高まっている。そこで安心してリフォームを行える環境の整備が急務として、府が創設したのが「住宅リフォームマイスター制度」だ。

府が指定した住宅建築関係の非営利団体「マイスター登録団体」が、高い技術力や信頼性を持つ業者「マイスター事業者」を府民の求めに応じて紹介。現在、9団体105事業者が「マイスター」登録をしている。

登録マイスターは、見積もりや契約、工事に際しての配慮、苦情処理体制、情報の公開などに関する自主行動基準を定め、府消費生活センターに届け出なければならない。マイスターに法令違反などがあった場合は、登録の取り消しなどの処分が科される。

「必要性を痛感」
マイスター制度を利用してリフォームを希望する府民はまず、マイスター登録団体に連絡し、耐震化や外壁塗装、屋根の修理といった希望する工事内容などを伝える。団体はその要望に応じて会員の事業者を紹介。府民は事業者に連絡をとり、見積もりや打ち合わせなどを経て、納得した場合は契約、施工へと至る。

マイスター登録団体のひとつ、NPO法人「住宅長期保証支援センター」(大阪市)の鈴森素子専務理事によると、問い合わせが多いのは、被害に遭いやすい高齢者。「リフォームしたいが業者を選ぶ判断材料がない、どこに相談したらいいのかわからない、という感じで電話をかけてくる人が大半で、マイスター制度の必要性を痛感します」

事業者の紹介方法は団体ごとに異なるが、同センターではアフターメンテナンスを考えて利用者の住まいに近い地域の業者を複数紹介するようにしているという。

同センターに加盟するマイスター事業者は現在12社。同センターが開催するコンプライアンス(法令順守)に関する講習会を受講することがマイスター事業者になる条件だ。「リフォーム業界の信用度は高くないのが現実で、良心的な業者はその状況を苦々しく思っている。だから、行政の“お墨付き”ともいえるマイスター制度への期待は高い」と鈴森さん。

同制度は事業者にも好評で、「消費者に安心してもらえる」「マイスター事業者として互いに切磋琢磨(せっさたくま)することで技術力のレベルアップにもつながる」との声が聞かれるという。

ただ、制度が実際に稼働し始めてから半年あまりになるが、府民に十分浸透したとはいえない。府は「必要な人に必要な情報が届いていない。認知度を高め、安心してリフォームできる環境を整えていきたい」と話している。

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