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銃規制反対のシンボル
「十戒」などの俳優、チャールトン・ヘストン氏 死去
2008/4/6    速報
【サンフランシスコ=松尾理也】AP通信によると、映画「ベン・ハー」(1959年)、「猿の惑星」(68年)などで知られる米俳優、チャールトン・ヘストンさんが5日、カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で死去した。84歳。死因は明らかにされていない。

イリノイ州出身。50年にハリウッド・デビューを果たした。以後「十戒」(56年)でのモーゼ役の熱演などで地歩を固め、「ベン・ハー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。

98年には、全米ライフル協会(NRA)会長に就任。当時のクリントン政権下で進んでいた銃規制論議に真っ向から反対する姿勢を貫き、保守層から喝采を浴びた。

2002年にアルツハイマー病の症状がみられたことを公表。03年にはライフル協会会長職を辞し、公的な生活から遠ざかっていた。

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5日、84歳で死去した往年のハリウッド・スター、チャールトン・ヘストン氏は晩年、全米ライフル協会(NRA)会長を務め、強硬な銃規制反対論者として、保守化する米世論に大きな影響を与えた存在でもあった。

ハリウッドはリベラル派が多数を占めるが、ヘストン氏も例外ではなかった。1960年代初期までは民主党を支持していた。

保守への転向のきっかけは、64年米大統領選で敗北したゴールドウオーター候補(共和党)だった。当時撮影のため人里離れたロケ地で生活していたヘストン氏は、林立するゴールドウォーター氏支持の看板に心を動かされたという。都市部を離れ、地方で過ごした経験が、「保守」の発見につながった形でもあった。

98年にはNRAの会長に就任。就任時、銃規制に積極的だったクリントン大統領(当時)に「米国はあなたを信頼しない」と痛罵を浴びせ、2000年選挙で後継の座をめざしたゴア候補に対しても一貫して反対の論陣を張った。

99年には、コロラド州コロンバイン高校での乱射事件直後、同州デンバーでNRA総会の開催を強行。反対デモが会場を取り巻く中で、「事件のたびにわれわれは悪役に仕立て上げられる」とはねつけた。

こうした姿勢に、古巣ハリウッドからは批判や揶揄が絶えなかったが、一方で保守層からは絶大な支持が寄せられ、NRAの会員数はヘストン氏の会長就任後、290万人から500万人近くにまで急増した。

銃問題だけにとどまらず、リベラル陣営との「文化戦争」を主張し、少数民族や社会的弱者の優遇を定めた「アファーマティブ・アクション」にも反対し続けた。こうした観点からすれば、道徳や価値観の在り方を争点に掲げ、00年、04年大統領選でのブッシュ大統領勝利を決定づけたとされる新しい保守勢力のさきがけでもあったといえよう。

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