「ラブファイト」

北乃きいをヒロインに全編関西ロケ

2008/4/11　 　 産経新聞大阪夕刊　by　福本剛

ボクシングを通じて若い男女が成長する姿を描く成島出監督の映画「ラブファイト」。関西が舞台の青春物語で、撮影もオール関西ロケ。ヒロイン役の北乃きいは「体をきたえすぎて…。腹筋も割れて気持ち悪い（笑）」と、すっかり役に入り込んだ様子だ。

「筋力はついたけど…」とポーズを決める北乃きい（右）と林遣都＝大阪市

４月初め、大阪市の淀川河川敷。「よーい、スタート」の声が響く。走ってきた幼なじみの亜紀（北乃）を稔（林遣都）が呼び止め、気持ちをぶつけるシーンだ。動きを見た成島監督らスタッフがさっと集まる。位置や向きを微調整後、全員が素早く元の位置に。メリハリの効いた撮影だ。

若さあふれる俳優陣だけに、現場も元気いっぱい。北乃は「最初は人見知りしたけど…」と笑い、「亜紀は赤い炎を持っている女の子。明るく、活発なところは私に似ている」。一方、林も「稔は『へたれ』で、でも純粋で自分らしく生きている」と話す。

２人に立ちはだかったのはボクシング。はんぱな役作りはできないと、元全日本王者を指導者に迎え、クランクイン４カ月前からトレーニングを積んだ。

そのかいあって筋力がついた北乃だが、腹筋が割れて、乙女心が傷つくことも。「でも、これを機会に筋トレは続けます」と力強くいい、「『ようせえへん』『ようどつけへん』とか、大阪弁の意味が分からなくて困ったけど、だんだん身近に感じられるようになった」と振り返った。

成島監督は「ボクシングや大阪弁など大変だと思うが、初々しい２人にかけた。教えられることも多い」。大阪をはじめ、和歌山、奈良、神戸でロケした関西色満載の映画は５月完成、今秋公開の予定だ。

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