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M・ストリープ親子の共演も話題
映画「いつか眠りにつく前に」 母が残した言葉とは…
2008/2/15 産経新聞    東京朝刊 by 岡田敏一
「いつか眠りにつく前に」(ラホス・コルタイ監督、23日公開)は、人生の最期を迎える女性の秘めた恋愛と友情を描くロマンチックな作品だ。「派手さはないが、家族や人間関係の大切さを真摯(しんし)に訴えたかった」とハンガリー人のコルタイ監督。メリル・ストリープ親子の共演も見どころだ。

クレア・デインズ(右)やメリル・ストリープの実娘メイミー・ガマー(左)らが出演する「いつか眠りにつく前に」
クレア・デインズ(右)やメリル・ストリープの実娘メイミー・ガマー(左)らが出演する「いつか眠りにつく前に」

スーザン・マイノットのベストセラー小説を基に、アカデミー賞受賞作「めぐりあう時間たち」(2002年)の原作小説でピュリツァー賞を受賞したマイケル・カニンガムが脚本と製作総指揮を担当。さらに、ストリープやグレン・クローズ、ヴァネッサ・レッドグレイヴら大女優がずらり。あまりのぜいたくなキャストに、主役のクレア・デインズらがかすんでしまうくらいだ。

主人公アン(レッドグレイヴ)は死のふちにいる。長女コニー(ナターシャ・リチャードソン)と二女ニナ(トニ・コレット)は老いた母の病状に気をもむが、アンはうわごとで「ハリス…」という名を呼び続ける。2人が面識のない男性の名前。母に問いただすと「ハリスと私がバディを殺した」。それは母が若かった40年前の出来事だった…。

監督はまず脚本に惹(ひ)かれたという。

「とても感銘を受けたよ。人生最良の時期を振り返りながら、人生に対する不安、そして安心を得たいという願い、子供たちの人生に与える影響などについて切々と述べている。私にもあなたにも、劇中と同じような瞬間があったはずだ」

物語は過去と現在を交錯させながら進む。デインズ演じる若きアンは、友人ライラ(メイミー・ガマー=ストリープの実娘)の結婚式の準備で別荘を訪れる。しかし、当のライラはメイドの息子で医者のハリス(パトリック・ウィルソン)が忘れられない。一方、アンは初対面のバディ(ヒュー・ダンシー)に一目惚(ぼ)れ。しかしこうした関係が悲劇を生む…。

後年、ライラ(ストリープ)との再会で長年のわだかまりが氷解し、アンの娘たちも母親になることの意義や母の悩みをようやく理解する。

「おびえないで。人生に過ちなどありはしない。幸せになろうと努力しなさい」

アンが娘ニナにかける言葉は重い。

「大物俳優が集まると大変だけど、我(が)を張るどころか私の助言に『ありがとう』と礼を述べる人までいて信じられなかったね」とコルタイ監督。

舞台となる米東部ロードアイランド州ニューポートの海沿いの景色の息をのむような美しさが大スクリーンに映える。

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