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左から、クリス・ワイツ監督、ダコタ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマン |
冒険ファンタジー映画「ライラ冒険」に出演している女優、ニコール・キッドマン(41)らが映画の宣伝で来日、20日、東京都内で記者会見した。
「ライラ冒険」は英作家、フィリップ・プルマンの小説。映画になったのは3部作の第1部「黄金の羅針盤」。
会見ではクリス・ワイツ監督(39)が「みなさまよろしくお願いします」と日本語であいさつ。ヒロイン、ライラ役の新人、ダコタ・ブルー・リチャーズ(13)も「コンニチワ」。そして英語で「監督ほど日本語が上手くないけど、映画を楽しんでください」と笑顔を振りまいた。
最後に登壇したキッドマンは、ボディラインがはっきりと分かる黒いシースルー素材のプラダのワンピース姿。現在、妊娠5カ月。だが、お腹はまったく目立たず、モデルのような長身と引き締まった体型に、報道陣からはため息がもれた。
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ニコール・キッドマン |
「日本には何度も来ていますが、妊娠での来日は初めて。とてもうれしいです。どうもありがとう」
時々、お腹に手をかざしながらのあいさつとなった。
児童向けの作品出演はこれが初めてといっていいキッドマン。
「原作が大好き。なかでも私が演じたミセス・コルターは魅力的。このように少女が主人公の作品は珍しく、扱うテーマも広いことが出演のきっかけとなりました」
ワイツ監督からの熱烈なオファーもあったという。
原作は1996年、英国最高の児童文学賞といわれるカーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞し、2001年にはかつて児童文学が選出されたことのなかった権威ある文学賞ウィットブレッド賞を獲得するなど幅広い世代から支持されている。
ワイツ監督がいう。
「物語を映像にまとめるのは大変な苦労でした。原作者とも何度も話し合いました。何より重要だったのは、物語を愛するファンを裏切らないキャスティング。幸運なことにダコタを発見し、ニコールにも出演してもらえた。CGや舞台装置などで莫大な制作費がかかることは理解していましたが、根底は人間のドラマだと思っています」
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ダコタは12歳のおてんば少女ライラ役を1万5千人の候補者のなかから獲得した。9歳の時に母親から原作を読み聞かせてもらい「ライラになりたい!」と思っていたという。
そんな愛する“分身”ライラをダコタはこう紹介する。
「反抗心が強く、ワイルドだけどその反面、スイートな少女の顔も持ってるの。お化けを怖がるところもかわいいし、勇敢なところも大好き」
舞台は英オクスフォードだが、そこは私たちの世界と似ているようで異なるパラレルな世界。ライラは何者かに連れ去られた親友のロジャーを探すため、真実を示すという「黄金の羅針盤」と守護精霊のパンタライモンとともに北の国へと冒険の旅に出かける。
CG撮影が大半を占める現場。
「想像よりもリアルな世界が好きだった私は演技に混乱することもありました」とダコタ。空飛ぶ魔女やよろいを装着した白クマなど実際には“向き合えない”共演者に苦労したようだ。
一方、ベテランのニコールは観客の主役ともなる子供たちに向けてエールを送った。
「だれかから『そんなことは無理』と言われても耳を貸してはダメ。私は背が高く、オーストラリアで生活していたので『女優は無理』と言われてきました。ダコタのように情熱をもって夢に向かうことです。批判をおそれないことです。何事もとことんまでやり、達成することが大切です」
前夫トム・クルーズとの間に迎えた養子2人についてもふれながら、こうしめくくった。
「彼らは13歳と15歳になるのですが、この映画をとても喜んで観てくれました。お腹の子供にはまだ先のことですが、今後は大人向け、子供向けの作品に交互に出演していきたい。それぞれに違う技術を求められますから、女優としても勉強になります」