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スター出演作にはない底力
「韓流」アート系にも注目
2008/2/21 産経新聞   東京朝刊 by 戸津井康之
“韓流ブーム”に飽き足りない映画ファンへ−。来月8日から東京・渋谷のイメージフォーラムで開かれる映画祭「韓国アートフィルム・ショーケース」は、商業大作とは一線を画す芸術性の高いアート系作品のみを紹介する異色の映画祭だ。韓国の国立映画学校「韓国映画アカデミー」のパク・キヨン院長は「韓流ブームではスター中心の話題作ばかりが紹介されたが、地味でも優れた小品の魅力を知ってほしい」と期待を込める。

期待の新進、ノ・ドンソク監督作品「俺たちの明日」
期待の新進、ノ・ドンソク監督作品「俺たちの明日」

今、韓国では日本と同様にシネコン人気で、商業大作ばかりが目立っている。一方で、この流れを反省し、アート系作品を専門に上映する単館系映画館も、ここ数年、ソウルを中心に増えてきた。

今回の映画祭では、カンヌ映画祭など国際的に高い評価を受ける気鋭チョン・スイル監督の新作「黒い土の少女」や、韓国映画アカデミー出身の新進ノ・ドンソク監督の「俺たちの明日」など実力派による4作品を公開する。

「韓国ではスター中心の商業映画人気にかげりが見え始めてきています。もちろん日本で韓国映画が認められたのは、これらの作品の人気に負うところが大きいのですが。商業映画にその比重が偏ったことは韓国映画界にとっても反省点です」とパク氏は語る。韓国映画アカデミーの運営など、韓国では国が映画産業を積極的に支援しており、現在はアート系の映画人育成に力を入れているという。

「製作費の問題などアート系の監督たちにとって厳しい環境にあるのは日本と同じ。ですが、韓国では国の公募審査で、優れた脚本には製作費を国庫で補助する制度などが設けられているため、日本よりアート系作品が作りやすい環境にある」と説明する。

ただ、その一方で、アート系作品を上映する単館系の映画館数は「日本の方がはるかに多い」とも。「こんな環境が整った日本で、韓国の良質なアート系作品を見るきっかけがつくられれば理想ですね」とパク氏は話している。

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