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映画初主演 新たな成長
映画「人のセックスを笑うな」主演、永作博美に聞く 
2008/1/13 産経新聞    東京朝刊 by 戸津井康之
映画やテレビ、舞台など女優として幅広く活躍するが、映画の主演は意外にも初めて。「主演のプレッシャー? とにかく自分が動かないと何も始まらない。だから意識する暇もなかったです」。映画「人のセックスを笑うな」(19日から東京・シネセゾン渋谷など全国で公開)の主演女優、永作博美は苦笑いする。しかし、「映画への興味はますます深まった」と意欲を燃やしている。


童顔だが37歳になった。主人公のユリは39歳で年齢は近い。が、ユリの性格や考え方は破天荒。「自分とはかなり違う」と認めた上で「まず女性であるという意識を捨てないと演じられないな」と覚悟した。

《美術学校の非常勤講師、ユリ(永作)は自由奔放に生きていた。19歳の学生、みるめ(松山ケンイチ)は彼女にリトグラフの指導を受けているうちに恋するが、ユリには夫がいた…》

永作が出演を決めた大きな理由の一つは、メガホンを執るのが井口奈己監督だったから。鋭い人間観察眼から生み出される個性豊かな作風に惹(ひ)かれたという。

その井口監督から役作りのため「整体に通ってほしい」と言われた。不思議に思いながらも、撮影前に何回か通うことにした。「女性が脱力したときの表情がどんなものか知っておいてほしいという意図だと気づきました」。その脱力の表情を“武器”に女優としての新たな側面を自ら引き出した。

夫がいながら「自由に恋愛する女性」というと、ともすると、わがままなだけの女性に見えるが−。

「女性がこんな生き方をするのは難しい。嫌みにしか見えないでしょ。それが自由に生きるユリの自然な生き方だと伝えるための演技はかなり難しかったです」と明かす。

「主演のプレッシャーどころではなかった」と言いながらも、「自分の演技で周囲を動かす」という主演の重責を理解し、その役割を果たした永作。彼女を抜擢した井口監督の狙いはここにあったのかもしれない。

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