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20テイクも「全然大丈夫」
映画「全然大丈夫」初主演、荒川良々に聞く 
2008/1/16 産経新聞    東京朝刊 by 戸津井康之
古本屋の長男で植木職人見習い。夢は「いつか世界一怖いお化け屋敷を作ること」。29歳まで“何となく生きてきた”主人公を個性派俳優の荒川良々が演じる映画「全然大丈夫」(藤田容介監督)が26日から東京・渋谷のシネクイントで公開される。「大人計画」の舞台でデビュー以来、長編映画の主演は初めて。「主人公の生き方は僕と重なる部分もあり共感でき、作品のでき映えには満足してます」と荒川は自信を見せた。

「主演で映画に出てほしい」

「監督は厳しかったが、納得できる演技ができた」と話す荒川良々
「監督は厳しかったが、納得できる演技ができた」と話す荒川良々

「大人計画」のオープニング映像などを撮っていた藤田監督に声をかけられたのは3年前。

「プロットをもらって、これが映画になったら面白いだろうなと思った。僕自身が監督のファンだったので、早く映画が完成しないかと心待ちにしていました」

《古本屋の長男として生まれた照男(荒川)は29歳。今は植木職人の見習いとして働いている。フリーターではないが、仕事に打ち込むわけでもなく、「人を怖がらせる」という趣味に没頭している。仲間とホラー映画を撮影したり、怪談話を覚えたり。が、ある日、古本屋のバイトで店番をすることになったあかり(木村佳乃)に恋をして…》

売れっ子の荒川に対し、最近、監督や演出家の注文で多いのが、「荒川さんにお任せします」。信頼されている証拠だが、荒川は、作り手のこだわりが感じられないこんな演出が大嫌いだという。その点、藤田の演出は正反対。「これまでで最も厳しかった」という。

「すべてのシーンが綿密に演出されていました。監督の構想から演技が少しでもずれると撮り直し。だから1テイクでOKなんてあり得ず、20テイクなんてのもざら。アドリブなんて絶対に許されません」。そのかわり、納得できる演出だったから「苦ではなかった」と振り返る。

照男はじめ、あかりや家族、友人たち。登場人物は皆、世渡り下手で人生の負け組ばかり。だが、藤田監督のまなざしは優しく、不器用だが愛すべき人たちに、「人生に勝ちも負けもない!」とエールを送る。

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