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自主製作の雄 初の長編
映画「Sweet Rain 死神の精度」筧昌也監督に聞く
2008/3/14 産経新聞    東京朝刊 by 戸津井康之
6年ぶりの邦画出演となる国際派俳優、金城武が、人の死に際に寄り添う死神を演じる「Sweet Rain 死神の精度」が22日から東京・丸の内プラゼールなどで公開される。監督は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で連続受賞を果たすなど、大学時代からコンテスト荒らしとして知られた筧昌也。長編映画は初で「自主製作の現場との違いに正直、戸惑いは多かった」と明かすが、「映画好きの僕自身が今、見たい作品が撮れたと思う」と自信をのぞかせた。

筧昌也監督
筧昌也監督

≪不慮の死を迎える7日前に、その人の前に突然、現れる死神、千葉(金城武)。そばでその人間の生き方を観察し、運命通り“実行=死”するか、“見送り=生かし続ける”とするかを判定するのが仕事だ。千葉の今回の対象者は電器メーカーのOL、一恵(小西真奈美)。千葉は判定のために彼女に近づく≫

原作は伊坂幸太郎の同名のベストセラー。「脚本を書くために何度も読み返しました。僕自身が原作の大ファン。この作品を2番目に愛し、理解している自信があります。1番目は作者ですが…」と筧は笑う。

が、脚本化する過程で改めて活字と映像の違いに悩んだという。「数秒の心理描写に何枚も原稿を費やすのが小説。抽象的な表現は多い。一方、映像ではすべてを具象化しないといけない。この差がうまく理解できず、最初の脚本では長さが4時間(完成作品は1時間53分)を超えてしまいました」と話す。

短編ドラマなどを数多く手掛け、自主製作の世界ではベテランといえるが−。

「予算も大きく製作期間も長い長編の現場では初めてのことばかり。すべてが未知数でした。だから逆に知らないことを武器に現場ではベテランスタッフに何でも聞くことにしました。もっと経験を積まねばと痛感しました」

30歳で長編監督としてデビューした。「今後も映画を中心に活動したいですが、ジャンルにとらわれず幅広く映像を撮っていきたい。映画界は混沌としてますが、自主製作でも大作でも優れた映像を撮り続けることが最も重要だと思うから」と語気を強めた。

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