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世界の共感呼んだ「家族の死と再生」
映画「あの空をおぼえている」原作者J・リー・ケアリーさんに聞く
2008/3/21 産経新聞    東京朝刊 by 戸津井康之
映画「あの空をおぼえている」(冨樫森監督、4月26日から東京・新宿バルト9などで公開)の原作者で米国の女性作家、ジャネット・リー・ケアリーさんが初来日した。監督や、主演の竹野内豊、その妻を演じた水野美紀が「読んでいて今、映画化すべき作品だと思った」とほれ込んだ原作はどのように生み出されたのか? ケアリーさんに聞いた。


《田舎町で写真館を営む深沢雅仁(竹野内)は、妻の慶子(水野)と小学4年で10歳の長男、英治(広田亮平)、幼稚園に通う6歳の長女、絵里奈(吉田里琴)の一家4人で幸せに暮らしていた。しかし、ある日事件が起こり…》

原作本は、一家の長男、ウィルが妹のウェニーあてに書きつづった手紙で構成されており、世界各国でベストセラーに。日本では5年前に出版され、現在15万部を超えるロングセラーとなっている。映画化に際しては、日本、米国、韓国の製作会社が名乗りを上げた。

「物語のテーマは家族の死と再生。人間誰しもが家族の一員として考えるべき普遍的な問題だからこそ、世界中で共感してもらえたのだと思う」とケアリーさんは言う。

映画については、「父役の竹野内さんをはじめ家族のキャスティングはパーフェクト。(原作の舞台の)カリフォルニアの森とは違うけど、日本の自然の風景はストーリーとマッチしていて素晴らしかった。絵里奈のおてんばな演技もエネルギーに満ちあふれていたし」と満足そうに語った。

着想の原点は?

「知人が幼い子供を失いました。私はこの家族の心の痛みを理解したかった。それがこの物語を書くきっかけです。さらに、そこから『なぜ人は生きるうえで心の痛みを感じなければいけないのか?』という普遍的な問いかけが私を突き動かしたのです。それを探究しようという情熱が私を創作に向かわせました」

幼かったころ、彼女は兄2人の後を追いかけ、森の中を駆け回っていたという。その光景が映画の中で英治の後を追いかける絵里奈の姿と重なった。

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