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「最高の人生の見つけ方」
ジャック・ニコルソン 大いに語る
2008/5/16    産経新聞大阪夕刊 by 戸津井康之
ハリウッドを代表する2大ベテラン俳優、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの初共演が話題になっている映画「最高の人生の見つけ方」(ロブ・ライナー監督、公開中)。余命半年を宣告された男を演じ、PRのため14年ぶりに来日したジャック・ニコルソンに話を聞いた。

ジャック・ニコルソン半世紀以上にわたってハリウッド映画界の第一線で活躍するニコルソンも71歳。だが年齢を感じさせない、力みなぎる目。エネルギッシュに語る表情からは、根っからの映画好きであることが伝わってくる。

《資産家の実業家エドワード・コール(ニコルソン)は医者から余命半年を宣告される。病院で相部屋になったのが同じ余命半年ながら、自動車整備工としてコツコツと生きてきたカーター・チェンバース(モーガン・フリーマン)。まったく相いれない人生を歩んできた2人が、死ぬ前にやっておきたいことを書き記す“棺桶(かんおけ)リスト”を作成、一緒に旅に出る…》

「俳優にとって、役作りの準備はとてもエキサイティングな作業」と話すニコルソン。

「一つの方法として、まず服装をどうするか。衣装選びは実はとても重要な作業なんだ。たとえば今回の役柄なら重役会議でみんながスーツ姿なのに、コールはふざけたセーター姿で現れる。それだけで観客は、コールが奇抜な発想の持ち主であり、ビジネス界ではいかに浮いた存在であるかが一目瞭然(りょうぜん)でしょ」

まるでいたずらっ子のように目を輝かせる。

これまで通算60本以上の映画に出演してきたが監督、脚本家の顔も持つ。

「そろそろまた監督もしたいけれど、俳優として興味深い作品への出演依頼が来たらそちらにも出たいしね。私は俳優よりも監督の方が楽と思っているんですよ。そう言うとみんなに驚かれますが」

たとえば、名匠マーティン・スコセッシが監督し、昨年の米・アカデミー賞作品賞も獲得した話題作「ディパーテッド」で、マフィアのボスを演じたときのこと。コステロという役名がどうしても腑(ふ)に落ちなかったという。

「設定ではアイリッシュ系。なのにこの名はイタリア系。私は名前を変えた方がいいと主張したが結局、変わらなかった。映画現場でもボスの方がいいね」

無邪気さとすごみが同居する筋金入りの映画人が豪快に笑った。

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