劇団四季がブロードウェー・ミュージカルの名作「ウエストサイド物語」を、京都劇場(JR京都駅ビル内)で2月11日に開幕する。関西では13年ぶりで、京都には初登場。ブロードウェーの初演から半世紀が過ぎて、今回の公演では振付をオリジナル版に基づいて大幅変更。より迫力ある、洗練されたステージとなった。
|
「いろんなエネルギーに満ちた名作」という主要キャストたち。(左から)加藤、高木、阿久津、松島 |
大ヒット映画でもおなじみの「ウエストサイド物語」は、ブロードウェーの初演が1957年。劇団四季による初演は1974年で、以来、公演回数900回を超える人気作品だ。
1950年代後半のニューヨークの下町を舞台に、人種や社会の差別と偏見にさらされた不良少年グループの対立から、ある男女の悲恋を浮かび上がらせるストーリー。ジェローム・ロビンス演出・振付による壮大でエネルギッシュなダンス、「トゥナイト」「マリア」などレナード・バーンスタインの魅力的な音楽は、時代も世代も超えて鮮烈な感動を呼ぶ。
今回の公演では、従来の四季版の振付を、ロビンスが晩年に書き残した指南書に基づいて大幅変更。アメリカから振付担当のジョーイ・マクニーリーを招聘(しょうへい)し、徹底的に稽古(けいこ)をしてダンスを練り直した。
同作品にベルナルド役で何度も出演し、劇団きってのスター・ダンサーで振付家でもある加藤敬二は、これまでとの違いについて次のように話す。
「細かいニュアンスを大切にして、オリジナルの振付に戻したって感じですね。とにかく全部が意味を持った振付で、言葉で語るところをダンスで表現する。音のテンポが速くダンスも激しい。初めて携わったときの衝撃と同じ感覚を今回も味わって、新作として取り組みました。改めてミュージカルの横綱、原点でもある作品だと痛感しましたね。歴史のある作品が一番新しく生まれ変わり、100年後もずっと存在するという誇りを感じます」
リフ役で初めて同作品に出演した松島勇気は、「『クール』を歌い踊るシーンは、本当にキツくて倒れそうです。京都公演ではより完成度の高いものにしたい」と張り切っている。
マリア役の高木美果、トニー役の阿久津陽一郎は、歌唱に重点を置いた役柄で、いずれも初出演。「ミュージカルの代名詞のような作品に出られて本当にうれしい。広い音域の歌が多く、熱い想いで挑戦しています」と話していた。
公演は現在、4月27日分まで発売中。問い合わせは同劇団予約センターTEL0120・489・444。