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衣類保管、夜間集配…
クリーニングサービス競争熾烈
2008/1/10 産経新聞  速報 by 井田通人
忙しいビジネスパーソンや主婦のニーズに対応して、衣類の保管代行や夜間集配といったクリーニングの付加価値サービスが増えている。取り次ぎ窓口も、コンビニエンスストアやマンションのフロントなどに拡大。市場縮小や原油高に苦しむ業界の事情があるとはいえ、消費者の選択肢は増え利便性が高まっている。

シーズンオフに衣類を預かる喜久屋のクリーニングサービス「e−closet」。4年前の開始時に比べ年間利用者数が4倍に増えた=埼玉県松伏町の松伏工場
シーズンオフに衣類を預かる喜久屋のクリーニングサービス「e−closet」。4年前の開始時に比べ年間利用者数が4倍に増えた=埼玉県松伏町の松伏工場

午後11時集配OK
都内を中心に200店舗を展開する喜久屋(東京都足立区)は、オフシーズンの衣類を代理保管するサービス「e−closet」を2004年に始めた。電話やインターネットで依頼した顧客から衣類を受け取り、クリーニング後、埼玉県の倉庫で保管するものだ。

クリーニング代は通常より高めだが、保管料はゼロで、割安感がある。「若い女性を中心に人気で、マンションに住み、押し入れが狭い人に便利。早めに預けると通常より価格が安くなる利点も」と同社。預かった衣類は、クリーニングサービスの繁忙期を避けて洗うため、工場の稼働率を平準化し、低料金を実現できる。当初は衣類のみが対象だったが、段階的に布団やブーツを加えてきた。

喜久屋は夜間集配サービス「ムーンライトデリバリー23」を都心部で提供中。午後5〜11時の間で、2時間ごとに集配時間を指定できる。集配料840円が別途要るが、クリーニング代が2500円以上なら無料。原則、中2日で引き渡す。「忙しいサラリーマンや、衣類を店に持参するのが面倒な方が利用する」(同)。申し込みは、電話だと午前10時から午後9時まで受け付け、インターネットは24時間対応。携帯電話からの申し込みもできる。

一方、全国1200店舗を運営する最大手の白洋舎は、富裕層が主な対象の店舗を新宿高島屋(渋谷区)に出店している。座って接客する旅行会社の窓口に似た雰囲気で、一見、クリーニング店に見えない。高級ドレスなどの寸法や素材をチェックし、最適な洗い方を選ぶ「カスタムクリーニング」に対応。洗い方や保管方法のアドバイスを行い、衣類の保管も有料で請け負う。「カスタムクリーニングがメーンのため、クリーニングに精通したスタッフが常駐している」と白洋舎。

コンビニ大手のファミリーマートは、02年4月から取り次ぎを行っている。現在、東名阪と宮城県で68店舗が対応。仕上がり時間は提携先業者によって異なるが、受付は24時間対応。同社広報によると、「店はオフィス街に多く、いつでも受け付けているので、OLやサラリーマンの利用が多い」という。
マンションと協力
このほか、フロントがクリーニングの取り次ぎを行うマンションのサービスも増え、喜久屋などがマンション開発会社と協力してサービスを強化している。最近、千葉県にマンションを購入した会社員の和田直人さん(29)は、「仕事が忙しいので、店にわざわざ行かずに済むのはありがたい」と語る。

日本人の年間クリーニング代(2世帯以上)は、1992年の1万9243円をピークに減り続け、06年は9063円と、市場は縮小し続けている。背景には、少子化や長年の景気低迷に加え、服装のカジュアル化や洗濯機の高機能化がある。クリーニングサービスの多様化は、市場縮小で業者間の競争が激しくなっていることと、現代人が時間に追われていることが影響しているようだ。

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